医療の質向上のための質マネジメントシステムの実証研究

文献情報

文献番号
200401053A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質向上のための質マネジメントシステムの実証研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
棟近 雅彦(早稲田大学理工学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究では,ISO9001と病院機能評価項目を統合した医療の質マネジメント(以下QMS)システムモデルを,病院に導入,推進するための方法論を確立し,それを実際の病院に適用し,モデルおよび導入,推進の方法論の有効性を実証することを目的とする.
研究方法
 平成16年度においては,ISO9001および病院機能評価の過去の導入過程の調査と統合したQMSモデルの一部の試行適用により,問題点を明らかにする.これをもとに統合QMSの導入・推進手順の原案を考案する.平成17年度においては,この原案をいくつかの病院に適用し,適用上の課題を明らかにする.平成18年度においては,2年間の適用結果をもとに,統合QMSの有効性を検証し,導入・推進手順を完成させる.
結果と考察
 平成16年度においては,まず日立水戸総合病院,東京衛生病院においてISO9001および病院機能評価における導入・推進に関わる活動の調査を行った.また,ISO9001,機能評価の文書類を調査し,対応関係,重複の程度,非効率な業務を調べた.その結果,現有システムの問題点を明らかにし,今後構築すべきQMSおよび病院の質マネジメント活動における困難モデルを提案した.
 QMSを導入・推進するためには,構築したQMSに関する教育が不可欠である.そこで,統合QMSの要素としてインシデントの分析改善プロセス,病院感染の防止プロセスを選び,それに関する業務の教育方法を検討した.また,実際に各教育モジュールを用いて教育の試行を行い,アンケート調査などによりその有効性を確認した.さらに,平成16年度の全研究結果を基に,QMS導入・推進手順の提案を行った.
 今後提案方法の有効性を確認するために,対象病院として麻生飯塚病院を選定し,従来の質保証活動と現有のQMSについて調査を行った.来年度はISO9001に取り組む予定であり,その際には本研究のアウトプットである導入・推進の方法論を適用する予定である.
結論
 本研究では,ISO9001および病院機能評価の過去の導入過程を調査し,QMS導入時の問題点,両者に取り組んでいる場合の非効率な業務について調査を行い,現状の問題を明らかにした.また,統合したQMSモデルを適用するために,導入時に必要な教育とシステムの試行を行い,その問題点を明らかにした.これをもとに統合したQMSの導入・推進手順を提案した.

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-