電子カルテシステムが医療及び医療機関に与える効果及び影響に関する研究

文献情報

文献番号
200401009A
報告書区分
総括
研究課題名
電子カルテシステムが医療及び医療機関に与える効果及び影響に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
阿曽沼 元博(国際医療福祉大学 国際医療福祉総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 梅里 良正(日本大学 医学部医療管理学)
  • 中村 清吾(聖路加国際病院 外科 病院情報システム室)
  • 小出 大介(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 開原 成允(国際医療福祉大学 同大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
21,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成13年度以降の厚生労働省の導入促進策(資金投入)により、導入病院は300施設を越え中小規模・民間病院にも導入が拡大した。しかし、医療及び医療機関に与える影響や効果に関し総合的かつ具体的な調査・分析は行われていない。
 本研究では、このような認識のもと、導入済みの病院を中心とした実態把握とその分析を行い。具体的かつ客観的に影響や効果を明らかにし併せて今後導入を計画中の多数の病院の指針となる導入ガイドラインや自己評価の手法を明示していくことを目的としている。
研究方法
第2年度である平成16年度は、導入済病院のアンケート調査及び現地ヒヤリングで収集されたデータをより詳細に分析すると共に、コスト面の評価をより詳細に行うために、21医療機関に対し追加アンケート調査を行った。更に平成15年度の研究をベースに電子カルテシステム導入におけるBSC適用のフレームワーク(仮称:電子カルテスコアカード)のモデル構築を行い、島根県立中央病院での適用調査により、患者、財務、病院機能及び業務プロセス、意識改革及び人材開発の4つの視点でその影響と効果を明らかにした。また、アンケート調査とは別に、先進13病院(大規模)の導入コスト実態の調査を行い、導入コストモデルと経済効果目標モデルの提示を行った。 
結果と考察
 4つの視点全で効果があることがアンケート及び現地調査を通じて確認することが出来た。また、ガイドラインとして提示した大規模病院における「導入コストモデル」や、導入の目標管理・評価手法としての「電子カルテスコアカード」のモデル提示は、班研究参加医療機関での評価を行い、ガイドラインとして適用可能との評価を受けた。
 なお、今後カルテ記載情報の質的向上が電子化によってどう影響され、それが医療の質向上にどの様な効果を生むことになるのかを更に調査研究することが課題として残った。 
結論
 多くの病院及び医療従事者が電子カルテシステム導入の必要性を認識し、効果を認めているが
、操作性やコストパフォーマンスに関する不安と不満は依然として大きい。また具体的な効果を挙げ実感している病院では強力なリーダーの存在と目標管理・評価が組織的に行われていることも明らかとなり、その重要性が浮き彫りとなった。本研究で提示した各モデルは今後導入を検討する病院の有効なガイドラインとして活用されることが期待できる。また患者規模ベースでの一人当たりコスト負担額や対医業収入比率、効果試算などは今後の病院での導入の計画立案に、また更なる導入促進策でのインセンティブ検討の一助となることを期待したい。

公開日・更新日

公開日
2005-06-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200401009B
報告書区分
総合
研究課題名
電子カルテシステムが医療及び医療機関に与える効果及び影響に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
阿曽沼 元博(国際医療福祉大学 国際医療福祉総合研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 梅里 良正(日本大学 医学部医療管理学)
  • 中村 清吾(聖路加国際病院 外科 病院情報システム室)
  • 小出 大介(東京大学大学院 医学系研究科)
  • 開原 成允(国際医療福祉大学 同大学院 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成13年度以降の厚生労働省の導入促進策(資金投入)により、導入病院は300施設を越え中小規模・民間病院にも導入が拡大した。しかし、医療及び医療機関に与える影響や効果に関し総合的かつ具体的な調査・分析は行われていない。
本研究ではこのような認識のもと、導入済み病院の実態把握とその分析を行い、具体的かつ客観的に影響や効果を明らかにすると共に、今後導入を計画中の多数の病院の指針となる導入ガイドラインや自己評価の手法を明示していくことを目的としている。
研究方法
 平成15年度は、導入済病院のアンケート調査及び現地ヒヤリングでデータ収集を行い。平成16年度は詳細な分析をすると共に、コスト面の評価をより詳細に行うために、21医療機関に対し追加アンケート調査を行った。更にBSC研究をベースに、平成16年度では導入における目標管理手法(仮称:電子カルテスコアカード)のモデル構築を行い、島根県立中央病院での適用研究により、患者、財務、病院機能及び業務プロセス、意識改革及び人材開発の4つの視点でその影響と効果を明らかにした。また、先進13病院の導入コスト実態の調査を基に多角的にコスト分析を行い、導入コストモデルと経済効果目標モデルの提示を行った。
結果と考察
 4つの視点全で効果があることがアンケート等を通じて確認することが出来た。また、ガイドラインとして提示した大規模病院における「導入コストモデル」や、目標管理・評価手法としての「電子カルテスコアカード」のモデル提示は、班研究参加医療機関での評価を行い、ガイドラインとして適用可能との評価を受けた。なお、今後カルテ記載情報の質的向上が電子化によってどう影響され、それが医療の質向上にどの様な効果を生むことになるのかを更に調査研究することが課題として残った。
結論
 多くの病院及び医療従事者が電子カルテシステム導入の必要性を認識し、効果を認めているが
、操作性やコストパフォーマンスに関する不安と不満は依然として大きい。また具体的な効果を挙げ実感している病院では強力なリーダーの存在と目標管理・評価が組織的に行われていることも明らかとなり、その重要性が浮き彫りとなった。本研究で提示した各モデルは今後導入を検討する病院の有効なガイドラインとして活用されることが期待できる。また患者規模ベースでの一人当たりコスト負担額や対医業収入比率、効果試算などは今後の病院での導入の計画立案に、また更なる導入促進策として例えば診療報酬等での担保検討の一助となることを期待したい。

公開日・更新日

公開日
2005-06-02
更新日
-