標準的電子カルテのための施設間診療情報交換に関する研究

文献情報

文献番号
200400986A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的電子カルテのための施設間診療情報交換に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院医療情報部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
電子カルテがもたらす施設間診療情報連携の推進のために、以下の点について研究・開発をおこなう。
1)CDなどによる電子的紹介状の形式とその運用に関する研究
2)紹介状内容の所見記述を自然に形式化して表示する機能の開発
3)院外処方箋に処方内容などを2次元バーコードで記載し、受け取り側の薬局で読み取るためのデータ形式についての検討
電子カルテの機能を充実させるこれらの機能の開発・検討により、診療施設間の情報連携が促進され、加えて、再打ち込みの防止などで医療事故防止にも寄与し、患者にとってはセカンドオピニオンが受けやすくなり、ひいては医療の透明性の向上が期待される。
研究方法
電子的紹介状は、作成したソフトウエアを病院情報システムに加え、CDを作成し、情報が正しく伝えられたことを実証した。これは、IHE-Jのデモの場で実証された。所見記述は、正式規格となったHL7 CDA R2の対応付け、実装を行った。院外処方箋の2次元バーコードに関しては、JAHIS、日本薬剤師会と協力して、データ形式を検討した。連携のためのコードとして、画像検査項目コードJJ1017については、部位、手技、方向などの3軸に分類後、通常、臨床で行われる検査約5000を、標準的レパートリーとした。また、連携を推進する基礎資料として、電子カルテ普及率に関する調査を静岡県内の病院を対象に行った。
結果と考察
電子的紹介状は、IHE-Jコネクタソンで、NECと、SBS情報システムの製品機能で、PDIプロファイルとして適合を受けた後、処方、検査結果、紹介状についても盛り込んで実現された。処方箋2次元バーコード形式は、相互運用性実証事業でEMシステムにより採用され、実装された。JJ1017コードは、IHE-Jコネクタソンで採用され、今や日本での標準的画像検査コードと言える。電子カルテ普及率は、回答のあった病院の電子カルテ導入率は病院全体では31%(20/65)、400床以上の病院では、60%(9/15)であった。
結論
MERIT-9紹介状形式は、世界的に紹介状の電子化が進む中、先進的な実装例である。JJ1017コードは、詳細な検査オーダを行う施設にも対応できる上、通常施設では最初からマスターとして利用できる。電子カルテ普及率は、日本医療情報学会定義によれば、静岡県内ではすでにアクションプラン目的値を達成している。

公開日・更新日

公開日
2005-04-15
更新日
-