看護ケアの質評価・改善システムの運用に関する研究

文献情報

文献番号
200400983A
報告書区分
総括
研究課題名
看護ケアの質評価・改善システムの運用に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
片田 範子(兵庫県立大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 内布 敦子(兵庫県立大学看護学部)
  • 上泉 和子(青森県立保健大学)
  • 粟屋 典子(大分県立看護科学大学)
  • 桜井 礼子(大分県立看護科学大学)
  • 坂下 玲子(兵庫県立大学看護学部)
  • 鄭 佳紅(青森県立保健大学)
  • 大塚奈央子(兵庫県立大学看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、看護ケアの質を評価、改善するシステム(体制)を構築することである。評価、改善の循環型モデルをWeb上で広く実現することによって、データベースを作成し、質の標準値、Good Practiceの提供など、病棟の質改善活動に外部専門家が支援するシステムを構築することを前提にしている。
研究方法
1.各評価項目のこれまでの得点分布、指標毎のバランスを検討する。
2.海外で汎用されはじめている指標の中で看護ケアが直接影響するものについては、文献を確認し、質問項目の追加を検討する。
3.自己評価版看護QIプログラムver.2004の構造/過程評価のWeb上の試入力を行い、画面の操作性やシステムの問題点を検索する。
4.患者満足度質問項目毎の得点分布を分析して調査票の問題点を検討する。
5.入力されたデータを分析するためのシステムについて検討する。
結果と考察
構造評価の精錬の結果、48項目の選択式の設問に再構成した。過程評価については、記述式と選択式の44個の設問項目に再構成した。試入力の結果、構造の得点分布に特に問題はなかった。入力時間は30分から80分で平均46.7±15.2であり、アンケート結果によると精神的・身体的負担なく実施できることがわかった。
過程評価の得点は高得点に偏った分布を示し、評価者個々の基準の違いか、事実を反映している結果かは判断ができない。入力時間は120分から300分で平均201.1±54.7分であり、精神的、身体的負担が大きいと回答している。また第3者評価では相手の反応によって質問を変え評価側の意図を伝えて比較的正確な評価を行うことができるが、自己評価の場合、質問の意図が伝わりにくく主観が大きく影響するので質問文の工夫が必要である。
結果指標として、これまで集積した患者家族満足度調査のデータ解析を行った。質問票は信頼性、妥当性を確認されているが、主観調査という限界があり改善に活用することは難しい。
結論
Web上で本プログラムを汎用する可能性を再確認した。しかし、過程評価項目への看護師の自己評価結果の信頼性には問題が残った。過程評価の質問項目の再検討やWebシステム入力によって評価結果を自動的に提供するシステムの作成、さらには、アウトカム評価の再検討も今後の課題として再確認することとなった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-05
更新日
-