医療関係職種の資質の向上(特に医師の卒後臨床研修及び国家試験の質の向上)に関する研究

文献情報

文献番号
200400974A
報告書区分
総括
研究課題名
医療関係職種の資質の向上(特に医師の卒後臨床研修及び国家試験の質の向上)に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
林 謙治(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 曽根 智史(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
  • 川南 勝彦(国立保健医療科学院公衆衛生政策部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
6,850,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
標準的カリキュラムと標準テキストにより、カリキュラム構成要素を検討し、各分野共通部分と選択部分とに分類することを試み、臨床研修指導医(地域保健医療分野における指導医)の場面において、研修計画の作成、研修指導方法、介入方法、評価技能について有用であることを検証する。さらに、大学病院において構造化面接による質的研究を実施し、医師国家試験の今後のあり方を検討することを目的とした。
研究方法
1.指導医講習会モデルカリキュラムや標準テキストが、臨床研修指導医(地域保健医療分野における指導医)の場面において、研修計画の作成、研修指導方法、介入方法、評価技能について有用であることを検証した。
2.医学部・医科大学が多数存在する首都圏の私立大学2校および地方も含めた国公立大学2校を対象として選んだ。各校において医学教育に主として関わっている教員、および義務化になった初期臨床研修を受けている研修医、臨床実習を受けている高学年の医学生に対して構造化面接による聞き取り調査を実施した。
結果と考察
1.臨床研修指導医(地域保健医療分野における指導医)の場面において、研修計画の作成、研修指導方法、介入方法、評価技能について有用であることを検証した結果、以下の点を改良した講習会カリキュラムと標準テキスト(地域保健医療分野)を提示することができた。
 「ケースメソッドによる地域保健・医療研修」、「症例カンファレンス」によるロールプレイについて、地域保健・医療分野について初めて導入した部分であり、満足度、わかりやすさ、必要度ともに高い評価となった。シミュレーション場面・例示を示すことによる学習効果が得られたと考えられる。
2.大学病院において構造化面接による質的研究を実施した。国家試験の構成よりも問題内容そのものにまだ検討を要する要素が多く存在することが明らかとなった。
結論
1.改良した講習会カリキュラムと標準テキスト(地域保健医療分野)を提示することができた。保健所の研修指導者の養成研修を各関連団体で実施してもらうためのtoolとして活用される方向性にあり、また、他の地域保健医療分野(へき地・離島、予防医療、診療所、社会福祉施設など)での活用も波及効果として考えられる。
2.医師国家試験の今後のあり方を検討するために、大学病院において構造化面接による質的研究を実施した。国家試験の構成よりも問題内容そのものにまだ検討を要する要素が多く存在することが明らかとなった。今後は医師養成の一環にある医師国家試験という在り方を明確にしつつ、整合性と一貫性をもった試験としていくべきであろう。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-