地震災害に対応した医療施設の配置計画に関する研究

文献情報

文献番号
200400972A
報告書区分
総括
研究課題名
地震災害に対応した医療施設の配置計画に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小林 健一(国立保健医療科学院施設科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 山下 哲郎(名古屋大学工学部社会環境工学科)
  • 宇田 淳(広島国際大学医療福祉学部医療経営学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、大規模な地震の発生が想定される地域の医療施設の配置状況を、地理情報システム(GIS)を用いたシミュレーション手法により評価する方法を検討・開発することである。
研究方法
3年計画の初年度である平成15年度は、平常時の阪神淡路地域の外来患者数データと、兵庫県南部地震時における被災患者のデータ、建物倒壊度等の被災度データを用いることにより、平常時と震災時の外来患者数を予測する因子を検討した。
3年計画の2年目である平成16年度においては、平成15年度の研究成果を基に、これを想定被害予測と併せて静岡県において適応し、地震発生時に各医療機関にどれだけの被災患者が訪れるかを予測式について検証した。また、大規模な地震の発生が想定される地域の医療施設の配置状況について、地理情報システム(GIS)を用いたシミュレーション手法により、大規模地震発生直後の災害医療提供という観点から評価する方法を検討・開発した。
結果と考察
静岡県防災局よりの静岡県防災情報インターネットGISにて開示される資料を提供いただき、被災状況予測を展開し、予測式と検証した。具体的には、年齢別地域人口・避難所やヘリポートなどの防災拠点・緊急輸送路・地盤の液状化危険度・建物の想定倒壊率など、地理情報システムの特性を活かしたシミュレーションを行い、対象地域の医療施設の配置計画に関する評価を試みた。
結論
昨年度開発したハフモデル式および患者到達時間距離を地理情報システム上に展開した結果として、予測式については、論理値と実態値の相関の向上をすべく修正を要すものの、基本的アルゴリズムは確立できた。
なお、残された課題としては次のような事項が明らかとなった。まず、災害想定が日中など、外来診療の行われている時間帯では、医師や看護婦が勤務中である有利さの一方、外来診療の混乱の中で緊急救命活動を開始する場合など、時間帯、医療体制について、予測式に反映できるように、検討する必要がある。また、研究成果について地理情報システムを用いて公開できるシステムを構築したが、情報公開の手続き、ネットワークでのトラフィックの技術的課題がある。さらに、各病院の建物の耐震性等の要素についても、検討する必要があるものと思われる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-05
更新日
-