歯科医師国家試験への実技試験導入を目的とした客観的技能評価法に関する研究

文献情報

文献番号
200400954A
報告書区分
総括
研究課題名
歯科医師国家試験への実技試験導入を目的とした客観的技能評価法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
川添 堯彬(大阪歯科大学(有歯補綴咬合学講座))
研究分担者(所属機関)
  • 斎藤 毅(日本大学 歯学部)
  • 花田 晃治(明倫短期大学)
  • 道 健一(東京医科歯科大学(教育システム研究センター))
  • 道脇 幸博(昭和大学 歯学部)
  • 槇 宏太郎(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
歯科医師国家試験に実技試験を導入するために必要な要件や問題点を抽出し、適切で実現可能な試験方法を確立すること、および将来の試験媒体として新たなシミュレーションシステムの可能性を検討することの2点が本研究の目的である。
研究方法
適切で実現可能な試験方法を確立するために、補綴系、保存系、口腔外科系、矯正・小児歯科系に分担して、試験時間や試験媒体、評価方法などについてモデル研究を行い、試験方式や試験方法などの具体的な項目を検討し、試行した。将来の試験媒体として、さらには技能教育の媒体として有用なシミュレーションシステム(患者ロボット)の開発を試作した。
結果と考察
保存系では、模型媒体による実技指導が実施されており、その延長線上で企画、実施された本実技評価システムは、新卒受験者の精神運動領域の評価に耐えるものであり、試験問題の適否、媒体の選択・開発、評価基準あるいは評価の妥当性など問題点を明らかにできた。補綴系では、歯科医師国家試験の技術能力評価等に関する検討会報告の歯科技能(総合)から、印象採得を必修課題とするのが妥当である。「0点が2つ以上あれば不合格とする。」を評価基準とする。評価者を3人として,うち2人が不合格なら,その学生を不合格と扱うと、一致度係数が高く得られ、信頼性を確認できた。外科系では、費用効果や試験の平等性、同時性などの観点からOSCE形式よりもシミュレーションモデルを使った実技試験が適切であった。矯正系では、研究用模型を作製する場合に必要な印象採得、模型作製の基本的手技課題は技術能力評価試験の具備すべき条件の中で、妥当性、信頼性、公平性ならびに効率性についてはほぼ要件を満たしていた。歯科治療実習用患者ロボットの概念と仕様を提案した。この提案に基づいた患者ロボットを開発・製作し,実習に供しうることを確かめた。
結論
学生のトレーニングの機会を増やすことで,課題の難易度の問題は解決する。さらに,完成度の高い評価シート作成によって客観的な評価を与えることができる。また、実地試験前に,評価者間での採点に関する打ち合わせが必須である。今後、実技試験の課題内容、評価方法について、さらに本研究で提案した患者ロボットを、複数施設での試行が必要となる、との結論に至った。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-

文献情報

文献番号
200400954B
報告書区分
総合
研究課題名
歯科医師国家試験への実技試験導入を目的とした客観的技能評価法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
川添 堯彬(大阪歯科大学(有歯補綴咬合学講座))
研究分担者(所属機関)
  • 斎藤  毅(日本大学 歯学部)
  • 花田 晃治(明倫短期大学)
  • 道 健一(東京医科歯科大学 医歯学教育システム研究センター)
  • 道脇 幸博(昭和大学 歯学部)
  • 槇 宏太郎(昭和大学 歯学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
歯科医師国家試験に実技試験を導入するために必要な要件や問題点を抽出し、適切で実現可能な試験方法を確立すること、および将来の試験媒体として新たなシミュレーションシステムの可能性を検討することの2点が本研究の目的である。
研究方法
適切で実現可能な試験方法を確立するために、補綴系、保存系、口腔外科系、矯正・小児歯科系に分担して、試験時間や試験媒体、評価方法などについてモデル研究を行い、試験方式や試験方法などの具体的な項目を検討し、試行した。将来の試験媒体として、さらには技能教育の媒体として有用なシミュレーションシステム(患者ロボット)の開発を試作した。
結果と考察
保存系では、模型媒体による実技指導が実施されており、その延長線上で企画、実施された本実技評価システムは、新卒受験者の精神運動領域の評価に耐えるものであり、試験問題の適否、媒体の選択・開発、評価基準あるいは評価の妥当性など問題点を明らかにできた。補綴系では、歯科医師国家試験の技術能力評価等に関する検討会報告の歯科技能(総合)から、印象採得を必修課題とするのが妥当である。「0点が2つ以上あれば不合格とする。」を評価基準とする。評価者を3人として,うち2人が不合格なら,その学生を不合格と扱うと、一致度係数が高く得られ、信頼性を確認できた。外科系では、費用効果や試験の平等性、同時性などの観点からOSCE形式よりもシミュレーションモデルを使った実技試験が適切であった。矯正系では、研究用模型を作製する場合に必要な印象採得、模型作製の基本的手技課題は技術能力評価試験の具備すべき条件の中で、妥当性、信頼性、公平性ならびに効率性についてはほぼ要件を満たしていた。歯科治療実習用患者ロボットの概念と仕様を提案した。この提案に基づいた患者ロボットを開発・製作し,実習に供しうることを確かめた。
結論
学生のトレーニングの機会を増やすことで,課題の難易度の問題は解決する。さらに,完成度の高い評価シート作成によって客観的な評価を与えることができる。また、実地試験前に,評価者間での採点に関する打ち合わせが必須である。今後、実技試験の課題内容、評価方法について、さらに本研究で提案した患者ロボットを、複数施設での試行が必要となる、との結論に至った。

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-