強皮症における病因解明と根治的治療法の開発

文献情報

文献番号
200400829A
報告書区分
総括
研究課題名
強皮症における病因解明と根治的治療法の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
竹原 和彦(金沢大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 宮園 浩平(東京大学大学院医学系研究科)
  • 石川 治(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 佐藤 伸一(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 室 慶直(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 佐々木 哲雄(国際医療福祉大学附属熱海病院)
  • 尹 浩信(東京大学医学部附属病院)
  • 遠藤 平仁(北里大学医学部)
  • 川口 鎮司(東京女子医科大学附属病院)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部)
  • 藤本 学(東京大学医学部附属病院)
  • 後藤 大輔(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班においては1)免疫異常,血管障害,サイトカイン及びコラーゲン代謝異常の3つを関連づける一元的病因仮説の完成。2)臓器別の重症度分類及び重症度に応じた治療指針案の作成。3)強皮症疾患モデルマウスの確立とそれを用いた新規治療薬のスクリーニング。4)致死的病態である活動性間質性肺炎及び肺高血圧症の既存薬による治療法の確立を主たる活動とした。
研究方法
1)臓器別の重症度分類及び治療指針案については,各臓器ごとにエキスパートを担当者とし,3年間で計5回の検討会を繰り返して最終試案とした。2)サイトカイン注入による皮膚線維化モデルの確立を目指し,自然発症強皮症モデルマウスであるTSKマウスについてもヒトの強皮症との類似性を検討した。3)活動性間質性肺炎に対しては,シクロフォスファミドパルス療法の有効性を,肺高血圧症に対しては,クエン酸シルディナフィルの有効性を複数(内科及び皮膚科)の施設で検討した。
結果と考察
1)病因仮説について得られた主たる研究を列挙する。・本症におけるB細胞異常(CD19の発現の亢進,ナイーブB細胞の活性化)を世界に先駆けて見いだした(佐藤班員)。・強皮症における血管内皮前駆細胞の減少と分化障害を見いだした(桑名班員)。・本症の線維化におけるTGF-βとCTGFの作用機序について明らかにし,2段階皮膚線維化仮説をJ Rheumatology誌に総説として発表した(竹原主任研究者)。・本症由来の培養皮膚細胞線維芽細胞におけるTGF-βレセプターの発現亢進及びSmadシグナルの異常を明らかにした(尹班員)。2)臓器別の重症度分類及び重症度に応じた治療指針案を作成し,リーフレットとして広く関係者に配付し,インターネットのホームページでも公開した(班全体プロジェクト)。3)3つの強皮症疾患モデルが確立された。・サイトカイン(TGF-β及びCTGF)注入皮膚硬化モデルマウスの確立(竹原主任研究者)。4)活動性間質性肺炎に対してはシクロフォスファミドパルス療法が,肺高血圧症に対してはクエン酸シルディナフィル内服療法が有用であることが,皮膚科,内科の複数の施設より報告された(竹原主任研究者,川口班員,桑名班員)。
結論
一元的病因論の完成及び根治的治療法の確立という2大テーマは残されたが,3年間という期間で目的としたプロジェクトはほぼ達成された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-04
更新日
-

文献情報

文献番号
200400829B
報告書区分
総合
研究課題名
強皮症における病因解明と根治的治療法の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
竹原 和彦(金沢大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 宮園 浩平(東京大学大学院医学系研究科)
  • 石川 治(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 佐藤 伸一(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
  • 室 慶直(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 佐々木 哲雄(国際医療福祉大学附属熱海病院)
  • 尹 浩信(東京大学医学部附属病院)
  • 遠藤 平仁(北里大学医学部)
  • 川口 鎮司(東京女子医科大学附属病院)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部)
  • 藤本 学(東京大学医学部附属病院)
  • 後藤 大輔(筑波大学大学院人間総合科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班においては1)免疫異常,血管障害,サイトカイン及びコラーゲン代謝異常の3つを関連づける一元的病因仮説の完成。2)臓器別の重症度分類及び重症度に応じた治療指針案の作成。3)強皮症疾患モデルマウスの確立とそれを用いた新規治療薬のスクリーニング。4)致死的病態である活動性間質性肺炎及び肺高血圧症の既存薬による治療法の確立を主たる活動とした。
研究方法
1)臓器別の重症度分類及び治療指針案については,各臓器ごとにエキスパートを担当者とし,3年間で計5回の検討会を繰り返して最終試案とした。2)サイトカイン注入による皮膚線維化モデルの確立を目指し,自然発症強皮症モデルマウスであるTSKマウスについてもヒトの強皮症との類似性を検討した。3)活動性間質性肺炎に対しては,シクロフォスファミドパルス療法の有効性を,肺高血圧症に対しては,クエン酸シルディナフィルの有効性を複数(内科及び皮膚科)の施設で検討した。
結果と考察
1)病因仮説について得られた主たる研究を列挙する。・本症におけるB細胞異常(CD19の発現の亢進,ナイーブB細胞の活性化)を世界に先駆けて見いだした(佐藤班員)。・強皮症における血管内皮前駆細胞の減少と分化障害を見いだした(桑名班員)。・本症の線維化におけるTGF-βとCTGFの作用機序について明らかにし,2段階皮膚線維化仮説をJ Rheumatology誌に総説として発表した(竹原主任研究者)。・本症由来の培養皮膚細胞線維芽細胞におけるTGF-βレセプターの発現亢進及びSmadシグナルの異常を明らかにした(尹班員)。2)臓器別の重症度分類及び重症度に応じた治療指針案を作成し,リーフレットとして広く関係者に配付し,インターネットのホームページでも公開した(班全体プロジェクト)。3)3つの強皮症疾患モデルが確立された。・サイトカイン(TGF-β及びCTGF)注入皮膚硬化モデルマウスの確立(竹原主任研究者)。4)活動性間質性肺炎に対してはシクロフォスファミドパルス療法が,肺高血圧症に対してはクエン酸シルディナフィル内服療法が有用であることが,皮膚科,内科の複数の施設より報告された(竹原主任研究者,川口班員,桑名班員)。
結論
一元的病因論の完成及び根治的治療法の確立という2大テーマは残されたが,3年間という期間で目的としたプロジェクトはほぼ達成された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-04
更新日
-