肝内結石症調査に関する調査研究

文献情報

文献番号
200400826A
報告書区分
総括
研究課題名
肝内結石症調査に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
跡見 裕(杏林大学医学部第一外科)
研究分担者(所属機関)
  • 二村雄次(名古屋大学大学院医学系研究科器官調節外科)
  • 田中直見(筑波大学医学部臨床医学系消化器内科)
  • 中沼安二(金沢大学大学院医学系研究科携帯機能病理学)
  • 永井秀雄(自治医科大学医学部外科講座消化器一般外科学)
  • 古川正人(西諌早病院消化器病センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、肝内結石症における(1)低侵襲的、費用効率の高い画像診断法 (2)生活習慣や感染症との関連性 (3)予後調査、重症化因子(4)肝内胆管癌発生(5)診断基準作成、治療方針見直し、を目的としている。
研究方法
上記目的を達成するため昨年度に続き、1)画像診断2)病型分類3)成因解明4)疫学調査5)発癌研究8)治療指針作成 のワーキンググループ(WG)および各個研究をおこなった。
結果と考察
画像診断体系:本検討では、従来の画像診断に加え、MRCPを診断法に加えた。画像診断を結石存在診断と、結石部位診断における各診断法の確診所見、疑診所見を示した。CT検査やMRCPは撮像方法、陰影欠損の判断法等を示し、診断基準とした。疫学研究:60症例に症例対照研究を実施した。成因との関連が過去に示されたHTLV-1、HCV、回虫感染は今回の調査でも病因への関与が示唆された。第4期調査(1999年)2次調査での473例を対象としたコホート研究では死亡に影響を与える要因は持続黄疸であった。胆管癌の発生に影響を与えた要因は胆道狭窄でありオッズ比は3.65であった。重症度4の死亡によるオッズ比は4.54、胆管癌の発生に対するオッズ比は7.51であった。成因解明:MUC2、MUC5Aムチン発現を検討し、慢性炎症によるCDX2発現誘導がMUC2ムチン発現を介し病態へ関与していた。発癌研究:班で作成した胆管上皮内異型病変診断基準は、今後の病態解析における形態的指標となる。HMGA1と悪性形質獲得の関連性が示された。一方replication error pathwayの検討からは、肝内胆管癌の発生ではreplication errorの関与は低いと推測された。治療ではベザフィブラートが核内受容体であるPPARaを介しABAB4の毛細胆管膜への再配分をし、胆汁中へのPCの分泌を促進し本症を含む胆汁鬱滯性肝胆道疾患の治療法となる可能性が示された。また胆管癌に対する遺伝子治療の可能性も示された。
結論
本症の画像診断所見の概要を示し、診断指針を改定した。また肝内結石症を背景とする発癌機構における新知見が得られた。治療体系で新たな薬物療法や遺伝子治療の可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2005-08-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200400826B
報告書区分
総合
研究課題名
肝内結石症調査に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
跡見 裕(杏林大学医学部第一外科)
研究分担者(所属機関)
  • 二村 雄次(名古屋大学大学院医学系研究科器官調節外科)
  • 田中直見(筑波大学医学部臨床医学系消化器内科)
  • 中沼安二(金沢大学大学院医学系研究科携帯機能病理学)
  • 永井秀雄(自治医科大学医学部外科講座消化器一般外科学)
  • 古川正人(西諌早病院消化器病センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、肝内結石症における(1)低侵襲的、費用効率の高い画像診断法 (2)生活習慣や感染症との関連性 (3)予後調査、重症化因子(4)肝内胆管癌発生(5)診断基準作成、治療方針見直し、を目的としている。
研究方法
上記目的を達成するため、1)画像診断2)病型分類3)成因解明4)疫学調査5)発癌研究8)治療指針作成 のワーキンググループ(WG)を発足させた。画像診断体系に関する検討:画像診断WGと病型分類WGを中心に検討を行い、肝内結石症の画像診断指針を作成した。疫学研究:全国的に症例対照研究を行った。またコホート研究では、本症の重篤化因子、肝内胆管癌の発生要因を検討した。成因・病態研究:成因、発癌WGと個別研究により検討した。発癌研究:発癌WGと個別研究で検討を行った。肝内結石症に合併した胆管上皮内異型病変の検討結果から、診断基準を作成した。
結果と考察
画像診断体系:本検討では、従来の画像診断に加え、MRCPを診断法に加えた。画像診断を結石存在診断と、結石部位診断における各診断法の確診所見、疑診所見を示した。CT検査やMRCPは撮像方法、陰影欠損の判断法等を示し、診断基準とした。疫学研究:症例対照研究を実施し60症例を調査した。成因との関連が過去に示されたHTLV-1、HCV、回虫感染は病因への関与が示唆された。第4期調査(1999年)2次調査での473例を対象としたコホート研究では死亡に影響を与える要因は持続黄疸であり、胆管癌の発生に影響を与えた要因は胆道狭窄でありオッズ比は3.65であった。成因・病態研究ではグリコケノデオキシコール酸の胆汁中濃度上昇が肝内結石症における胆管上皮障害、発癌に関与する可能性が示された。MUC2、MUC5Aムチン発現を検討し、慢性炎症によるCDX2発現誘導がMUC2ムチン発現を介し病態へ関与していた。発癌ワーキンググループでは過形成・再生上皮とBilIN-1との区別、BilIN-2とBilIN-3を定義しその実効性を検討した。また。HMGA1と悪性形質獲得の関連性が示された。治療ではベザフィブラートが核内受容体であるPPARaを介しABAB4の毛細胆管膜への再配分をし、胆汁中へのPCの分泌を促進し本症を含む胆汁鬱滯性肝胆道疾患の治療法となる可能性が示された。また本症に対する遺伝子治療の可能性も示された。
結論
本症の診断指針を改定し、治療体系で新たな知見が得られた。

公開日・更新日

公開日
2005-08-03
更新日
-