特発性心筋症に関する調査研究

文献情報

文献番号
200400821A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性心筋症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
北畠 顕(北海道大学大学院 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 和泉 徹(北里大学医学部内科学(2))
  • 今泉 勉(久留米大学医学部第三内科)
  • 小川 聡(慶應義塾大学医学部内科学)
  • 吉川 純一(大阪市立大学循環器病態内科学)
  • 竹下 彰(九州大学医学部附属病院)
  • 鄭 忠和(鹿児島大学医学部内科学第一)
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター病院)
  • 豊岡 照彦(東京大学大学院医学系研究科医学部保健管理センター)
  • 永井 良三(東京大学大学院医学系研究科医学部器官病態内科学講座)
  • 藤原 久義(岐阜大学医学部内科学第2)
  • 堀 正二(大阪大学大学院医学系研究科医学部病態情報内科学講座)
  • 松﨑 益德(山口大学医学部器官制御医科学講座)
  • 松森 昭(京都大学大学院医学研究科医学部臨床器官病態学講座)
  • 山口 巖(筑波大学医学専門学群臨床医学系内科学)
  • 横山 光宏(神戸大学大学院医学系研究科医学部循環呼吸器病態学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、難治性・進行性で予後不良な疾患である拡張型心筋症に代表される特発性心筋症を主な対象とし、その病態解明、新たな診断法の確立、科学的根拠に基づいた有効な治療法確立を目的としている。
研究方法
平成16年度の具体的作業としては、1)入力簡素化と電子化のため拡張型心筋症臨床調査個人票の改定と診断の手引きの作成。新たに心ファブリー病、たこつぼ型心筋症を追加し、心筋症に関する診断基準の見直しを含めた改訂作業を行った。2)疫学研究班と共同で疫学調査研究を継続し、生命予後などを解析。3)遺伝子解析や免疫学的解析に基づいた病因解析を進め、治療面では、心筋再生・心臓移植の基礎的・臨床的検討を取り上げ、その研究成果を広く社会へ普及・還元することを計画した。
結果と考察
拡張型心筋症臨床調査個人票は改定され、診断基準の見直しを含めた「心筋症診断の手引き」を作成中である。疫学研究も解析最終段階で、データベースとして今後の解析にも用いることが可能となった。分担研究において、成因では、拡張型心筋症の新規原因遺伝子を4種、肥大型心筋症の新規原因遺伝子を2種世界に先駆けて発見した。また、治療面では、再生医学領域を例にとると、心筋の幹細胞分画であるSca-1陽性細胞とSP細胞を単離し、それぞれオキシトシンにより自律拍動する心筋細胞に分化することを発見した。シート状細胞を積層化することで3次元組織を再生するという独自の「細胞シート工学」により、肉眼レベルで同期して拍動する3次元心筋組織の作製が可能となるなどの業績を残した。
結論
今後、心筋症の全国疫学調査が進められ、臨床データベースや遺伝子データベースを構築し、継続して原因探求を進め、新たな診断法・治療法を開発することが急務である。国際的な研究協調体制、ことにWHO/ISFCとの協調確立も必須であろう。なお、厚生労働省特発性心筋症調査研究班では、「心筋症:診断の手引き」の改訂作業を進めている。

公開日・更新日

公開日
2005-08-04
更新日
-

文献情報

文献番号
200400821B
報告書区分
総合
研究課題名
特発性心筋症に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
北畠 顕(北海道大学大学院 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院 医学研究科)
  • 和泉 徹(北里大学医学部内科学(2))
  • 今泉 勉(久留米大学医学部第三内科)
  • 小川 聡(慶應義塾大学医学部内科学)
  • 吉川 純一(大阪市立大学循環器病態内科学)
  • 竹下 彰(九州大学医学部附属病院)
  • 鄭 忠和(鹿児島大学医学部内科学第一)
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター病院)
  • 豊岡 照彦(東京大学大学院医学系研究科医学部保健管理センター)
  • 永井 良三(東京大学大学院医学系研究科医学部器官病態内科学講座)
  • 藤原 久義(岐阜大学医学部内科学第2)
  • 堀 正二(大阪大学大学院医学系研究科医学部病態情報内科学講座)
  • 松﨑 益德(山口大学医学部器官制御医科学講座)
  • 松森 昭(京都大学大学院医学研究科医学部臨床器官病態学講座)
  • 山口 巖(筑波大学医学専門学群臨床医学系内科学)
  • 横山 光宏(神戸大学大学院医学系研究科医学部循環呼吸器病態学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性・進行性で予後不良な疾患である拡張型心筋症に代表される特発性心筋症を主な対象とし、その病態解明、新たな診断法の確立、科学的根拠に基づいた有効な治療法確立を目的としている。
研究方法
研究方法としては、班員が個別的に進めた研究を班研究として統括すること、診断基準などのマニュアルを作成すること、厚生医療行政に有用な電子化データベースを作成することなどが挙げられる。具体的には、1)病因の解析について、遺伝子解析や免疫学的解析を中心に検討すること、2)診断について、新たな診断方法を確立すること、3)治療法として、再生医療の可能性を探ること、4) 心筋症に関する診断基準の見直しを含めた診療マニュアルを作成することにあった。
結果と考察
本研究班では、心筋症診断基準の見直しが検討され、1986年戸嶋班による診断基準の改定、矢崎班、篠山班の際のミトコンドリア病、家族性突然死症候群、ARVCに加え、心ファブリー病、たこつぼ型心筋症を追加しその診断基準を作成した。さらに、篠山班で疫学研究班と共同で行った疫学調査を継続、生命予後についての疫学データベースを構築した。従来の班研究を引き継ぎ、病因の遺伝子解析や免疫学的解析を中心に検討、また、免疫学的に新たな診断マーカーの開発に着手した。治療面では、心筋再生医療の基礎的・臨床的検討を取り上げ、研究成果を社会へ普及・還元することとした。そのために、平成15年、難病医学研究財団と共同で心筋症・心不全国際シンポジウムの開催、同時に北海道新聞社との共催で市民公開講座を開催し、心筋症・心不全の知識の普及に努めた。
結論
今後、心筋症の全国疫学調査が進められ、臨床データベースや遺伝子データベースを構築し、継続して原因探求を進め、新たな診断法・治療法を開発することが急務である。国際的な研究協調体制、WHO/ISFCとの協調確立も必須である。なお、厚生労働省特発性心筋症調査研究班では、「心筋症:診断の手引き」の改訂作業を進めている。

公開日・更新日

公開日
2005-08-04
更新日
-