間脳下垂体機能障害に関する調査研究

文献情報

文献番号
200400807A
報告書区分
総括
研究課題名
間脳下垂体機能障害に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
千原 和夫(神戸大学大学院医学系研究科(応用分子医学講座))
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 譲(島根大学医学部附属病院)
  • 島津 章(国立病院機構京都医療センター)
  • 橋本 浩三(高知大学医学部)
  • 森 昌朋(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 苛原 稔(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 大磯 ユタカ(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 寺本 明(日本医科大学)
  • 巽 圭太(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 須田 俊宏(弘前大学医学部)
  • 肥塚 直美(東京女子医科大学)
  • 平田 結喜緒(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 田中 敏章(国立成育医療センター)
  • 長村 義之(東海大学医学部)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院)
  • 清水 力(北海道大学医学部附属病院)
  • 菅原 明(東北大学医学部附属病院)
  • 柳瀬 敏彦(九州大学大学院医学研究院)
  • 石川 三衛(自治医科大学附属大宮医療センター)
  • 置村 康彦(神戸大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
19,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、様々な間脳下垂体機能障害による視床下部ホルモン・下垂体ホルモンの分泌異常症の病因、病態を把握し、その有用な診断治療法を確立することである。
研究方法
分子生物学、生化学、生理学、病理学的手法を駆使した研究、および臨床内分泌学、疫学研究が各分担研究者によって行なわれた。
結果と考察
遺伝子組換えマウスを用いて家族性中枢性尿崩症(FNDI)の病態解析が行なわれた。低血漿浸透圧や循環血液量の増加が直接AQP-2 発現に関与する可能性が明らかとなった。MENINはPRL遺伝子発現を抑制することが明らかとなった。Prop-1異常発現はPRLomaの一因であることが、臨床例、Prop-1トランスジェニックマウスの検討から推測された。健常女子における思春期発現の基礎データが得られた。Subclinical Cushing病とsilent corticotroph adenomaの全国調査結果が行なわれ、その臨床像が明確になった。副腎性アンドロゲンであるDHEA及びNFκB 阻害剤であるPRTの併用は、ACTH産生腫瘍の増殖に対し抑制的に作用する可能性が示唆された。先端巨大症の長期予後が検討され、GH/IGF-1が高値の先端巨大症患者における標準化死亡比は4.38であることがわかった。GH分泌異常症におけるインスリン抵抗性と血中アディポサイトカインに関連に関して検討された。重症GH分泌不全症の診断に、GHRP-2負荷試験が有用であることが明らかとなった。GH欠乏は肝細胞内脂質蓄積を亢進させる方向に遺伝子発現を変動させることがわかった。
成人下垂体機能低下症の合併症の発症に関与する因子について解析された。下垂体に高発現する遺伝子が6個見いだされた。この内、機能が全く解析されていない遺伝子の1つはX連鎖性の汎下垂体機能低下症の責任領域に位置し、病因と関連する可能性がある。
結論
以上の成果は、間脳下垂体機能障害の新規診断法、治療法を開発するうえで有用であると考える。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-

文献情報

文献番号
200400807B
報告書区分
総合
研究課題名
間脳下垂体機能障害に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
千原 和夫(神戸大学大学院医学系研究科(応用分子医学講座))
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 譲(島根大学医学部附属病院)
  • 島津 章(国立病院機構京都医療センター)
  • 橋本 浩三(高知大学医学部)
  • 森 昌朋(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 苛原 稔(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 大磯 ユタカ(名古屋大学大学院医学系研究科)
  • 寺本 明(日本医科大学)
  • 巽 圭太(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 須田 俊宏(弘前大学医学部)
  • 肥塚 直美(東京女子医科大学)
  • 平田 結喜緒(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科)
  • 田中 敏章(国立成育医療センター)
  • 長村 義之(東海大学医学部)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院)
  • 清水 力(北海道大学医学部附属病院)
  • 菅原 明(東北大学医学部附属病院)
  • 柳瀬 敏彦(九州大学大学院医学研究院)
  • 石川 三衛(自治医科大学附属大宮医療センター)
  • 置村 康彦(神戸大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
様々な間脳下垂体機能障害による視床下部ホルモン・下垂体ホルモンの分泌異常症の病因、病態を把握し、その有用な診断治療法を確立することである。
研究方法
分子生物学、生化学、生理学、病理学的手法を駆使した研究、および臨床内分泌学、疫学研究が各分担研究者によって行なわれた。
結果と考察
SIADHの発症機序におけるLIFの関与が示唆された。dexamethasoneは、SIADH治療時の重篤な合併症である橋中心髄鞘崩壊の発症予防に有効であることが示された。高齢者における低Na血症の特徴が明確になった。遺伝子組換えマウスを用いて家族性中枢性尿崩症の病態解析が行なわれた。低血漿浸透圧や循環血液量の増加が直接AQP-2 発現に関与する可能性が明らかとなった。ブロモクリプチンにより、PRL-releasing peptide受容体遺伝子発現が抑制されることが明らかとなった。Prop1異常発現はPRLomaの一因であることが、臨床例、Prop1トランスジェニックマウスの検討から推測された。日本人の思春期発現の基礎データが得られた。Subclinical Cushing病とsilent corticotroph adenomaの全国調査結果が行なわれた。DHEA及びNFκB阻害剤であるPRTの併用はACTH産生腫瘍の増殖を抑制することが示唆された。長期予後検討により、GH/IGF-1が高値の先端巨大症患者における標準化死亡比は4.38であることがわかった。一般高齢者のなかに、器質的疾患によるGH分泌不全症患者に匹敵するGH分泌不全者が存在する可能性が示唆された。GH分泌不全症の診断においてGHRP-2負荷試験の有用性が報告された。成人下垂体機能低下症患者のうち生命予後不良群の存在が示唆された。日本人にふさわしい成人下垂体機能低下症に特異的なQOL尺度の開発がすすめられた。
結論
以上の成果は、間脳下垂体機能障害の新規診断法、治療法を開発するうえで有用であると考える。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-