難治性自己免疫性肝疾患の画期的治療法の開発に関する臨床研究

文献情報

文献番号
200400796A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性自己免疫性肝疾患の画期的治療法の開発に関する臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
石橋 大海(国立病院長崎医療センター(臨床研究センター))
研究分担者(所属機関)
  • 中村 稔(国立病院長崎医療センター・臨床研究センター)
  • 右田 清志(国立病院長崎医療センター・臨床研究センター)
  • 伊東 正博(国立病院長崎医療センター・臨床研究センター)
  • 兼松 隆之(長崎大学大学院・移植・消化器外科)
  • 坪内 博仁(宮崎大学医学部・第二内科)
  • 松下 祥(埼玉医科大学医学部・免疫学)
  • 松口 徹也(鹿児島大学大学院・発生発達成育学)
  • 市田 隆文(順天堂大学医学部・消化器内科)
  • 西原 利治(高知大学医学部・消化器病態学)
  • 金子 周一(金沢大学大学院・がん遺伝子治療学)
  • 若月 芳雄(京都大学大学院・医学研究科内科学講座)
  • 田中 篤(帝京大学医学部・内科学講座)
  • 喜多 宏人(自治医科大学・消化器内科)
  • 下田 慎治(九州大学大学院・病態修復内科学)
  • 大曲 勝久(長崎大学大学院・消化器病態制御学)
  • 渡部 幸夫(国立病院機構相模原病院・消化器科)
  • 上野 義之(東北大学大学院・消化器病態学)
  • 原田 憲一(金沢大学大学院・形態機能病理学)
  • 石川 文彦(九州大学大学院・病態修復内科学(学術振興会特別研究員))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
33,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性自己免疫性肝疾患である原発性胆汁性肝硬変(PBC)と自己免疫性肝炎(AIH)を根治的に治療する治療法や進展を阻止し改善する治療法、あるいは発症を予防する画期的な方法を開発することである。
研究方法
難治性疾患の治療法開発であるので、困難が予想される。治療の現状、現行治療法の評価、基礎的研究による標的分子の同定、新たな治療法の応用を柱として、今年度は以下の項目を具体的な目標として研究を進めた。1.現状の治療の解析、2.予後予測マーカーの開発と予後不良患者の判別、3.治療標的分子の探索、4.免疫機構とその制御および制御法の開発、5.治療薬の開発および治療効果の評価法、6.治療法開発のための動物モデルの開発、7.肝移植、HGF、再生医療による治療法開発。
結果と考察
本年度の研究成果として以下の新知見を得た。1.専門医への調査により新治療法の開発および治療指針の策定が必要とされていることを確認した。2.抗gp210抗体がPBC患者の予後不良患者の判別に極めて有用であることを確認し、アッセイ系を確立した。3.治療標的となる候補遺伝子を数個同定した。4.抗原の経口投与により肝臓で誘導される新規免疫調節性T細胞の同定と臨床応用の可能性、自己反応性T細胞の制御、ヒトiNKT細胞サブセットのバランス制御による人為的Th1/Th2応答制御の可能性を得た。5.内因性リガンドによるPPARγの制御の効果をみるための脂肪酸のβ酸化能をin vivoで半定量化する分子イメージングシステムを開発した。6.治療法開発のための動物モデル候補を3種類開発した。7.末期肝硬変に対する組み換え型ヒトHGFの臨床応用の可能性を得た。また、幹細胞を用いた再生医療の研究で、純化したヒト臍帯血、骨髄由来幹細胞から肝細胞への再生確認し再生医療の可能性を掴んだ。これらの知見は今後画期的治療法を開発を進める上で、重要な知見であると考えられる。
結論
予後予測マーカーとして有用な抗gp210抗体のアッセイ系の確立、脂肪酸のβ酸化能をin vivoで半定量化する分子イメージングシステムの開発、新規免疫調節性T細胞の同定、治療法開発のための動物モデル候補の開発、組み換え型ヒトHGFの臨床応用、幹細胞を用いた再生医療の可能性など、いくつかの具体的な成果が得られた。本研究を進展させることで、実用化が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-05-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-