こころの健康科学研究のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200400770A
報告書区分
総括
研究課題名
こころの健康科学研究のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
樋口 輝彦(国立精神・神経センター武蔵病院)
研究分担者(所属機関)
  • 杉田 秀夫(国立精神・神経センター武蔵病院)
  • 久野 貞子(国立精神・神経センター武蔵病院)
  • 金 吉晴(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 山村 隆(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 功刀 浩(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 有馬 邦正(国立精神・神経センター武蔵病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「こころの健康科学」研究事業は平成14年度より開始され、本年度で3年目を迎えた。脳とこころの研究に関しては、文部科学省、厚生労働省、通産省を中心に予算化され、研究課題もそれぞれ独自に検討・採択されてきた。今後の研究の進展のためには、研究事業間の課題の重複を避け、それぞれの研究事業の役割を明確にして効率化をはかることが望ましい。また、研究課題には時代の要請を反映させることが必要である。以上の点を考慮し、この3年間の「こころの健康科学」研究事業を総括し今後のあり方を検討することが本研究の目的である。
研究方法
今年度は、平成15年度までに終了した課題の主任研究者を対象として、1)研究成果の概要、2)研究成果の自己評価(医学的および行政的観点から)、3)医学・医療への貢献度についてアンケート調査を行った。また、研究成果から発表された論文についての調査を行った。その結果に基づいて分担研究者が分野別に研究成果を総括し、今後の研究のあり方に関する提言を行った。また、精神神経疾患の病態解明と治療法開発に必須の研究資源であるブレインバンクの日本における現状を調査した。
結果と考察
全体の総括から、およそ3割の研究は国際的にも高い評価が得られていることが明らかになった。筋疾患に関する研究はいずれもジストロフィーの病態解明に関する極めて質の高い研究と評価された。神経疾患の基礎研究は約4割の研究が国際的にみて極めて高い水準にあることがわかり、プロジェクトの選定に大きな問題はないと判断された。精神疾患の心理・社会学的研究は睡眠研究や児童の発達障害に関する研究が高く評価された。神経疾患の病態研究は、その7割は研究助成に十分値する内容であり、3割は特に「優秀」と判断されるものであった。精神疾患の生物学的研究は分子生物学的研究、遺伝子解析、機能的画像研究などにより、社会的関心の高い疾患(障害)中心に研究成果が蓄積されつつあると評価された。また、ブレインバンクの普及のためには、運営の全般にわたるシステムの確立及び国民の理解を深めるための啓発活動が必要であることが明らかになった。
結論
今年度は、現在までに終了した課題の主任研究者による自己評価をもとに分野別の評価を行った。より正確な評価を行うために、今後客観的な指標による評価を加える必要がある。

公開日・更新日

公開日
2005-04-21
更新日
-