触法行為を行った精神障害者の精神医学的評価、 治療、社会復帰等に関する研究

文献情報

文献番号
200400738A
報告書区分
総括
研究課題名
触法行為を行った精神障害者の精神医学的評価、 治療、社会復帰等に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松下 正明(東京都立松沢病院)
研究分担者(所属機関)
  • 樋口 輝彦(国立精神・神経センター武蔵病院)
  • 山上 皓(東京医科歯科大学難治疾患研究所)
  • 平野 誠(独立行政法人国立病院機構・肥前精神医療センター)
  • 武井 満(群馬県立精神医療センター)
  • 岩成 秀夫(神奈川県立精神医療センター 芹香病院)
  • 吉川 和男(国立精神・神経センター 精神保健研究所)
  • 山内 俊雄(埼玉医科大学)
  • 宮本 真巳(東京医科歯科大学大学院)
  • 五十嵐 禎人(東京都精神医学総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 こころの健康科学研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)」の施行に向けて必要とされる、触法精神障害者の評価手法の確立、専門的治療施設及び医療体制の構築、専門医療従事者の養成について、今後の施策に資する具体的な提言を行うこと。
研究方法
①「責任能力鑑定における精神医学的評価に関する研究」(樋口)、②「現行制度のもとでの触法精神障害者処遇に関する研究」(山上)、③「触法精神障害者の治療必要性の判定に関する研究」(平野)、④「触法精神障害者の治療プログラムに関する研究」(武井)、⑤「触法精神障害者の社会復帰と通院治療に関する研究」(岩成)、⑥「触法精神障害者の処遇のモニタリングと社会復帰に関する研究」(吉川)、⑦「司法精神医療従事者の研修・教育に関する研究」(山内)、⑧「触法精神障害者の看護ならびに地域支援の手法に関する研究」(宮本)、⑨「司法精神医療における精神障害者の人権擁護に関する研究」(五十嵐)の9つの分担研究班をおいて、研究を遂行した。
結果と考察
①事例検討を通じて、刑事責任能力判定、措置入院の要否判定、医療観察法の処遇判定について検討を加えた。
②触法精神障害者の追跡調査をもとに、触法行為のリスク因子の同定、重大他害行為再実行例の特性に関する分析を行った。
③医療観察法における医療必要性の鑑定に関連して、アンケート調査、鑑定書フォーマットの作成、「共通評価項目」の評価マニュアルの作成を行った。
④事例検討を通じて、医療観察法の入院処遇のシミュレーションを行い、その具体的なイメージを示した。
⑤医療観察法の指定通院医療機関における医療について検討し、社会復帰調整官の機能を補完する「ケア調整者」配置の必要性を提言した。
⑥医療観察法の対象者の医療や処遇に関するモニタリングのためのデータ入力支援システムを開発した。
⑦専門医療従事者の養成システムの検討を行った。
⑧触法精神障害者を対象としたグループ・プログラムの試行によって、入院処遇における看護師の役割を具体的に示した。
⑨入院処遇対象者の人権擁護システムの一つである「新病棟倫理会議」のあり方について検討を加えた。
結論
医療観察法の施行のために必要とされる、触法精神障害者の評価、専門的医療及び社会復帰について、多面的かつ包括的な検討を加え、実践的な提言を行った。

公開日・更新日

公開日
2005-05-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2007-04-20
更新日
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