全身性自己免疫疾患における難治性病態の診断と治療法に関する研究

文献情報

文献番号
200400722A
報告書区分
総括
研究課題名
全身性自己免疫疾患における難治性病態の診断と治療法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
三森 経世(京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 真生(京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学)
  • 堤 明人(筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床免疫学)
  • 平形 道人(慶應義塾大学医学部内科)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部先端医科学研究所)
  • 山田 秀裕(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
  • 津坂 憲政(埼玉医科大学総合医療センター第二内科)
  • 高崎 芳成(順天堂大学医学部膠原病内科)
  • 広畑 俊成(帝京大学医学部内科学講座)
  • 寺井 千尋(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター)
  • 吉田 俊治(藤田保健衛生大学医学部リウマチ感染症内科)
  • 南木 敏宏(東京医科歯科大学生体応答調節学膠原病・リウマチ内科)
  • 土肥 眞(東京大学保健管理センター)
  • 遠藤 平仁(北里大学医学部内科)
  • 市川 健司(国立病院機構西札幌病院リウマチ科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膠原病を中心とする全身性自己免疫疾患は難病を代表する疾患群であるが、生命予後は総体的に向上する一方で、依然として治療法が確立していないために死亡率が高く、または重い障害を残すような病態が残されている。膠原病の生命予後をさらに改善し、QOLを改善してより良いライフスタイルを確立するためには、難治性病態を解明し有効な診断と治療法を開発することが急務である。本研究は膠原病難治性病態について疾患横断的に病態解明、診断法の確立、新たな治療法の開発を通じて、エビデンスを重視したわが国における治療ガイドラインの構築をめざした。
研究方法
動物モデルおよびin vitro系を用いた病態解明と治療法の開発、難治性病態の疾患感受性遺伝子の同定と予後の予測、自己抗体による難治性病態の診断と予後予測、アンケート調査による難治性病態の全国調査、前向き研究による難治性病態の治療、過去のEBM文献の集積・解析と各難治性病態の診断治療ガイドラインの作成、を行った。
結果と考察
1)プロジェクト研究として分担研究施設で登録したSLE、SSc、PM/DM、RA患者血清504例について膠原病のマーカー自己抗体17種類を測定し、難治性病態との関連を追跡調査した。抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体とPM/DM間質性肺炎、抗Sm抗体および抗リボゾーム抗体とSLE中枢神経症状などの関連を確認し、抗ARS抗体は筋炎および間質性肺炎の治療反応性と再燃との関連が確認された。2)分担研究者らの個別研究では各難治性病態の我国での実態、成立機序、早期診断法、従来の治療法のエビデンス、新規治療法の可能性について新たな成績が得られた。3)膠原病難治性病態の治療に関する論文をシステマティックにレビューして研究のエビデンスレベルを分類し、これらを元に現時点で最も信頼度が高いと考えられる治療法をガイドラインとしてまとめ、さらに各治療法にはエビデンスレベルなどから勘案した推奨度を設定した。膠原病難治性病態の治療ガイドラインとしては現時点で最良のものが作成されたと考えられる。
結論
全身性自己免疫疾患における種々の難治性病態について、実態調査、病態解明、新たな診断マーカーによる早期診断法の確立、従来の治療法のエビデンス確立、新たな治療戦略の開発を目指し、新たな成績が得られた。これらの成果を踏まえ、エビデンスを重視した難治性病態の診療ガイドラインを作成した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200400722B
報告書区分
総合
研究課題名
全身性自己免疫疾患における難治性病態の診断と治療法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
三森 経世(京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学)
研究分担者(所属機関)
  • 市川 健司(国立病院機構西札幌病院 リウマチ科)
  • 遠藤 平仁(北里大学医学部内科)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部先端医科学研究所)
  • 高崎 芳成(順天堂大学医学部膠原病内科)
  • 田中 真生(京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学)
  • 津坂 憲政(埼玉医科大学総合医療センター第二内科)
  • 堤 明人(筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床免疫学)
  • 寺井 千尋(東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター)
  • 土肥 眞(東京大学保健管理センター)
  • 南木 敏宏(東京医科歯科大学生体応答調節学膠原病・リウマチ内科)
  • 平形 道人(慶應義塾大学医学部内科)
  • 廣畑 俊成(帝京大学医学部内科学講座)
  • 山田 秀裕(聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科)
  • 吉田 俊治(藤田保健衛生大学医学部リウマチ感染症内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膠原病を中心とする全身性自己免疫疾患は難病を代表する疾患群であるが、生命予後は総体的に向上する一方で、依然として治療法が確立していないために死亡率が高く、または重い障害を残すような病態が残されている。膠原病の生命予後をさらに改善し、QOLを改善してより良いライフスタイルを確立するためには、難治性病態を解明し有効な診断と治療法を開発することが急務である。本研究は膠原病難治性病態について疾患横断的に病態解明、診断法の確立、新たな治療法の開発を通じて、エビデンスを重視したわが国における治療ガイドラインの構築をめざした。
研究方法
動物モデルおよびin vitro系を用いた病態解明と治療法の開発、難治性病態の疾患感受性遺伝子の同定と予後の予測、自己抗体による難治性病態の診断と予後予測、アンケート調査による難治性病態の全国調査、前向き研究による難治性病態の治療、過去のEBM文献の集積・解析と各難治性病態の診断治療ガイドラインの作成、を行った。
結果と考察
1)プロジェクト研究として分担研究施設で登録したSLE、SSc、PM/DM、RA患者血清504例について膠原病のマーカー自己抗体17種類を測定し、難治性病態との関連を追跡調査した。抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体とPM/DM間質性肺炎、抗Sm抗体および抗リボゾーム抗体とSLE中枢神経症状などの関連を確認し、抗ARS抗体は筋炎および間質性肺炎の治療反応性と再燃との関連が確認された。2)分担研究者らの個別研究では各難治性病態の我国での実態、成立機序、早期診断法、従来の治療法のエビデンス、新規治療法の可能性について新たな成績が得られた。3)膠原病難治性病態の治療に関する論文をシステマティックにレビューして研究のエビデンスレベルを分類し、これらを元に現時点で最も信頼度が高いと考えられる治療法をガイドラインとしてまとめ、さらに各治療法にはエビデンスレベルなどから勘案した推奨度を設定した。膠原病難治性病態の治療ガイドラインとしては現時点で最良のものが作成されたと考えられる。
結論
全身性自己免疫疾患における種々の難治性病態について、実態調査、病態解明、新たな診断マーカーによる早期診断法の確立、従来の治療法のエビデンス確立、新たな治療戦略の開発を目指し、新たな成績が得られた。これらの成果を踏まえ、エビデンスを重視した難治性病態の診療ガイドラインを作成した。

公開日・更新日

公開日
2005-05-13
更新日
-