アレルギーにおける粘膜免疫を基点とした全身・皮膚免疫クロスネットワークシステムの解明と予防への応用に向けた基礎研究

文献情報

文献番号
200400709A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギーにおける粘膜免疫を基点とした全身・皮膚免疫クロスネットワークシステムの解明と予防への応用に向けた基礎研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
清野 宏(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 高津 聖志(東京大学 医科学研究所)
  • 高橋 一郎(広島大学大学院 歯薬学部総合研究科)
  • 黒野 祐一(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
粘膜免疫系を基点とした全身免疫と皮膚免疫トライアングル免疫制御系の解明を進め、アレルギーにおける呼吸器・消化器など粘膜で被われた臓器特異的免疫応答の異常のみならず、それによる全身免疫と皮膚免疫システム破綻の過程について実証的な理論構築を行う。これを基盤としてアレルギーの予防・治療につながる粘膜免疫機構から全身免疫と皮膚免疫を制御する「粘膜免疫基点免疫療法」開発へ向けて基礎的情報を提供する。
研究方法
東大・清野はアレルギー性下痢モデルを駆使してNALTを介したクロスネットワークシステムによるアレルギー予防・治療法確立へ向けての研究を展開した。広島大・高橋は環境ストレス応答分子であるMICA/NKG2Dや粘膜系サイトカインIL-15の腸管免疫とアレルギーへの影響を検討した。東大・高津は免疫クロスネットワークシステムに関連するサイトカイン制御機構の解明に代表される分子細胞ネットワークの解明を進めた。鹿児島大・黒野は臨床的観点からヒトNALTが存在する上気道粘膜における吸入アレルゲン抗原、自然免疫分子の上皮細胞、好酸球などへの影響を検討した。
結果と考察
食物アレルギーの予防・治療に関しては粘膜免疫クロスネットワークシステムを使った呼吸器NALTを介した大腸でのアレルギー応答制御の可能性を提示する新知見を得た。大腸における過度なTh2型応答に対してIL-12p70 DNA、CPGまたはPeptide-25を経粘膜投与という手段で予防・治療効果を期待できる可能性が示唆された。さらにストレス誘導性恒常性逸脱可シグナルMICAが粘膜での炎症制御効果がある事も示唆され今後の展開が期待される。
結論
粘膜免疫を基点としたクロストークを解明する目的で基礎系(3名)と臨床系(1名)の各研究者の個別研究を推進し、随時有機的・横断的協同研究体制を使ってその目的達成に向けて研究を推進した。その結果、IL-12p70DNA、CpG、Peptide25、MICAなどの遺伝子、分子を粘膜免疫調節因子としてアレルギー発症の制御に応用できる可能性を示唆することができた。

公開日・更新日

公開日
2005-06-03
更新日
-

文献情報

文献番号
200400709B
報告書区分
総合
研究課題名
アレルギーにおける粘膜免疫を基点とした全身・皮膚免疫クロスネットワークシステムの解明と予防への応用に向けた基礎研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
清野 宏(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 高津 聖志(東京大学 医科学研究所)
  • 高橋 一郎(広島大学大学院 歯薬学部総合研究科)
  • 黒野 祐一(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
粘膜免疫系を基点とした全身免疫と皮膚免疫トライアングル免疫制御系の解明を進め、アレルギーにおける呼吸器・消化器など粘膜で被われた臓器特異的免疫応答の異常のみならず、それによる全身免疫と皮膚免疫システム破綻の過程について実証的な理論構築を行う。これを基盤としてアレルギーの予防・治療につながる粘膜免疫機構から全身免疫と皮膚免疫を制御する「粘膜免疫基点免疫療法」開発へ向けて基礎的情報を提供する。
研究方法
粘膜免疫システムを基点としたアレルギー予防・治療に結びつく「粘膜免疫基点免疫療法」開発に向けた基礎的な解析と新情報収集の為に基礎系3名と臨床系1名による共同研究体制のもとで研究を推進した。東大・清野は主任研究者として研究全般の総括と呼吸器粘膜免疫(NALT)を基点としたアレルギー制御についての解明に従事した。東大・高津は自然免疫関連分子・物質(例:結核菌由来ペプチド)によるアレルギー誘導型免疫応答の制御について検討を進めた。広島大・高橋は環境ストレス応答分子であるMICA/NKG2Dや粘膜系サイトカインとして注目されるIL-15の腸管免疫への影響を検討した。鹿児島大・黒野は臨床的観点からヒトNALTが存在する上気道粘膜における吸入アレルゲン抗原、自然免疫分子の上皮細胞、好酸球などへの影響を検討した。
結果と考察
食物アレルギーの予防・治療に関しては粘膜免疫クロスネットワークシステムを使った呼吸器NALTを介した大腸でのアレルギー応答制御の可能性を提示する新知見を得た。大腸における過度なTh2型応答に対してIL-12p70 DNA, CpGまたはPeptide-25を経粘膜投与という手段で予防・治療効果を期待出来る可能性が示唆された。
結論
基礎系・臨床系各々の研究分担者からの研究効果が、有機的に結びつき、粘膜免疫クロストークシステムを応用したアレルギー予防・治療に向けた新しい「粘膜免疫基点免疫療法」開発へ向けての基礎的情報を提供する事が出来た。具体的には、IL-12p70 DNA, CpG, Peptide 25, MICAなどの遺伝子・分子が粘膜免疫調節因子としてアレルギーの発症制御に応用出来る可能性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2005-06-03
更新日
-