文献情報
文献番号
200400708A
報告書区分
総括
研究課題名
皮膚・気道・鼻粘膜局所におけるresidential cellによる生体防御機構のアレルギー疾患における役割の解析
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小川 秀興(順天堂大学医学部)
研究分担者(所属機関)
- 奥田峰広(花王株式会社安全性評価センター)
- 坪井良治(東京医科大学皮膚科学講座)
- 中尾篤人(山梨大学医学部免疫学講座)
- 花沢豊行(千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科学講座)
- 牛尾博子(順天堂大学大学院医学研究科アトピー疾患研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
27,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究で、皮膚、気道、鼻粘膜局所のresidential cellによる生体防御機構(あるいはその生理的機能)がアレルギー疾患の病態において果たす役割について明らかにする。
研究方法
1)皮膚粘膜バリア機能を測定するためにこれまで開発したリボフラビン法をさらに改良しその効果を検討した。2)創傷治癒過程におけるTGF-bシグナル経路の役割についてラビット創傷治癒モデルを用いて解析した。3)活性化した血管内皮細胞のケモカイン産生についてDNAマイクロアレイを用いた解析を行った。4)内因性リガンドによるToll-like receptor (TLR)を介したマスト細胞の活性化についてTLR欠損マウスを用いて検討した。5)ヒト末梢血由来好酸球におけるTransforming growth factor-b(TGF-b)シグナル伝達についてウエスタンブロット法等によって検討した。6)ニトロチロシンのアレルギー性鼻炎および喘息患者における産生、疾患の重症度との関連について検討するためアレルギー性鼻炎患者および喘息患者における鼻腔および呼気中のNO濃度を測定した。
結果と考察
1)リボフラビンによるバリア機能測定法の改良により部位差についての検証が容易となった。2)Smad分子は皮膚創傷治癒を調節していた。3)IFN-γやTNF-αなどによって皮膚血管内皮細胞のケモカインの発現が亢進した。4)マスト細胞は内因性リガンドであるファイブロネクチンのフラグメントによりTLR4を介して活性化された。5)正常ヒト末梢血由来好酸球においてはユニークなTGF-bシグナル細胞内伝達機構が存在する。6)nitrotyrosine(NT)産生量の測定は気道アレルギー炎症を評価する上での指標となる。
結論
皮膚・気道・鼻粘膜それぞれの局所における上記のような新たに見いだされた生体防御機構/生理的機構が、アレルギー疾患諸相の病態形成において重要な役割を果たしている。
公開日・更新日
公開日
2005-05-12
更新日
-