気管支喘息の難治化機序の解明と予防・治療法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200400705A
報告書区分
総括
研究課題名
気管支喘息の難治化機序の解明と予防・治療法の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
森 晶夫(独立行政法人国立病院機構相模原病院(臨床研究センター先端技術開発研究部))
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 清(独立行政法人国立病院機構南岡山医療センター)
  • 庄司 俊輔(独立行政法人国立病院機構福岡病院)
  • 相沢 久道(久留米大学医学部第一内科教室)
  • 柳原 行義(独立行政法人国立病院機構相模原病院(臨床研究センター遺伝子診断・治療研究室))
  • 永井 博弌(岐阜薬科大学薬理学教室)
  • 藤澤 隆夫(独立行政法人国立病院機構三重病院臨床研究部)
  • 烏帽子田 彰(広島大学大学院医歯薬学総合研究科健康政策学・公衆衛生学講座)
  • 大田 健(帝京大学医学部第一内科教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性喘息の過半数は発症2年以内にステロイド依存に陥っていることが明らかになった。高用量ステロイド投与に拘わらず持続する炎症、好酸球過剰活性化、気道リモデリング、T細胞を中心とした細胞性免疫異常の点において、発症時から通常の喘息とは異なっている。早期診断、治療介入標的としての責任分子の特定を目指す。
研究方法
末梢血単核球をダニ粗抗原のイオン交換クロマトグラフィー分画と培養し、サイトカイン産生、増殖反応を測定した。重症例と軽・中等症例につき、臨床指標、炎症指標、器質化指標を比較した。H4受容体を介した好酸球活性化、ダニアレルゲンによる好酸球IL-9産生、ヒト気管支平滑筋細胞の遊走、プロテアーゼ産生、HR, CysLTR, TLR発現を解析した。ヒトリコンビナントthioredoxinを投与し、気道過敏性、BALF細胞分画を解析した。抗原曝露による変動遺伝子ならびにステロイド投与による変動遺伝子をDNAマイクロアレイにより解析した。難治性喘息、重症アレルギーの分子疫学を実施した。
結果と考察
1)T細胞アレルゲンとIgE結合主要アレルゲンとは異なる可能性がある、2)遅発型喘息反応は即時型喘息反応とは独立した、細胞性免疫に依存したアレルギー反応と考えられ、T細胞アレルゲン診断テストは、アトピー型・非アトピー型両病型共通の、正しい喘息起因抗原診断法として有用である、3)臨床・炎症・器質化の各指標から、重症喘息の亜分類が可能である、4)ステロイドによる好塩基球アポトーシスがサイトカインにより制御されること、5)TRXは酸化還元制御に作用し、喘息治療薬として有望である、6)CCL16がH4Rリガンドであり、7)H2RとH4Rが拮抗して好酸球機能を制御する、8)HDM中のプロテアーゼは、好酸球IL-9産生を誘導する、9)気管支平滑筋細胞はフィブロネクチン及びMMP-2を産生し、自ら遊走する、10)ウイルス由来のdsRNAは、気管支平滑筋細胞のTLR3を介して、M3R発現を増強する、11)気道過敏性自身に関連する7個の遺伝子を見いだした、12)IL-18、TGF-beta1遺伝子多型が、喘息の寛解、重症化に関連する、13)IL-4受容体遺伝子多型とアレルギーphenotypeの関連、が明らかになった。
結論
喘息難治化を担うプロセスの解明が順調に進み、予防・治療への応用が視野に入りつつある。

公開日・更新日

公開日
2005-05-12
更新日
-