スギ花粉・ダニ由来のアレルゲンの分析と診断・治療への応用に関する研究

文献情報

文献番号
200400703A
報告書区分
総括
研究課題名
スギ花粉・ダニ由来のアレルゲンの分析と診断・治療への応用に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
安枝 浩(独立行政法人国立病院機構相模原病院(臨床研究センター))
研究分担者(所属機関)
  • 阪口 雅弘(独立行政法人理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター)
  • 小埜 和久(広島大学大学院先端物質科学研究科)
  • 高井 敏朗(順天堂大学医学部アトピー疾患研究センター)
  • 斎藤 三郎(東京慈恵会医科大学DNA医学研究所)
  • 辻本 元(東京大学大学院農学生命科学研究科)
  • 三田 晴久(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究においては,スギ花粉症やダニアレルギーの原因となるアレルゲンを同定し,天然型アレルゲンの精製や組換型アレルゲンの作製を行い,それらのアレルゲンの構造や機能を分子レベルで解析して,得られた成果をアレルゲンエキスの品質改善,標準化,新たな診断薬,治療薬の開発に応用する。さらに,本研究では,スギ花粉症,ダニアレルギーの根治的治療を目標とした新たな抗原特異的免疫療法の開発,および免疫療法の有効性を客観的に評価できる指標の開発を行い,それらの臨床応用を目指す。
研究方法
スギ花粉,ダニのアレルゲンに関してプロテオーム解析,クローニング,組換体,およびその改変体の調製,構造解析,エピトープ解析,IgE抗体親和性測定を実施した。スギ花粉アレルゲンのCpG結合ワクチン,アレルゲン発現米の調製を行い,これらを用いた新規免疫療法の有効性を動物モデルで検証した。
結果と考察
スギ花粉アレルゲンのプロテオーム解析を行い,新たにFamily 19キチナーゼアレルゲンCJP-4を同定した。Der f 1のプロテアーゼ活性のみを消失させた変異体は,全体的な高次構造を保持しているにもかかわらず,マウスに対してIgE抗体の産生を誘導しないことを示した。スギ精英樹から2種類のCry j 1アイソフォームを同定し,現行のスギ花粉アレルゲン標準化法では,エキスの力価がこのアイソフォームの存在割合によって影響を受ける可能性があることを示した。減感作療法の継続によりCry j 1に対するIgE抗体の親和性が低減することから,この親和性が治療効果の客観的指標として使える可能性が示された。全長のCry j 1ではなく,そのT細胞エピトープペプチドにCpGを結合させたCpG-peptideは,CpG-Cry j 1と同様に,マウスにおいて抗原特異的なTh1型免疫応答の誘導能が認められた。また,CpGはイヌにおいても抗原特異的IgE抗体の産生を抑制することが確認された。スギ花粉アレルゲン7連結ペプチド発現米を予防的に経口投与したときだけでなく,治療的に経口投与したときでもマウスにIgE抗体の産生を抑制することができた。
結論
スギ花粉症とダニアレルギーに関与するアレルゲンに関していくつかの新たな知見を得ることができた。また,スギ花粉症の新規免疫療法の開発においても,ヒトへの臨床応用に向けての着実な進展が見られた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-12
更新日
-