文献情報
文献番号
200400697A
報告書区分
総括
研究課題名
小児アレルギー性鼻炎の成人への移行を阻止するための治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岡本 美孝(千葉大学(大学院医学研究院))
研究分担者(所属機関)
- 花澤 豊行(千葉大学大学院医学研究院)
- 大川 徹(千葉大学大学院医学研究院)
- 堀口 茂俊(千葉大学医学部)
- 河野 陽一(千葉大学大学院医学研究院)
- 島 正之(兵庫医科大学)
- 増山 敬祐(山梨大学大学院)
- 大久保 公裕(日本医科大学)
- 石川 和夫(秋田大学医学部)
- 中山 俊憲(千葉大学大学院医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患予防・治療研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
増加する小児アレルギー性鼻炎の成人への移行を阻止する治療法の確立
研究方法
小児アレルギー性鼻炎の現状,自然史,小児で罹患頻度が高い感染とアレルギー性鼻炎との関連,上気道の代表的粘膜リンパ組織であり小児期に活発に増殖する扁桃のアレルギー性鼻炎への関与,喘息を代表とする他の小児アレルギー疾患との相互関連,一旦形成されたTh2細胞のメモリー機能の維持機構の検討
結果と考察
(1)小児の感作率,アレルギー性鼻炎の有症率は上昇が続いている。(2)薬物による対症療法を中心として行った小児スギ花粉症患者の15?25年の長期経過は不良で改善例は20%以下であった。また小児通年性ハウスダストアレルギー性鼻炎患者の長期経過は自覚的には改善がみられたが、重症度評価では重症,中等症の割合に改善はみられなかった。(3)小児アレルギー性鼻炎患者の経過を追った5?25年間で約5%に新たな喘息の発症がみられた。(4)小児アレルギー性鼻炎に対する減感作療法は長期予後を改善し、また喘息の新たな発症を阻止する可能性がみられた。(5)小児喘息患者では75%にアレルギー性鼻炎の合併がみられ、その40%で症状の連動がみられた。(6)小児喘息患者の保護者の印象では18.5%の患者にアレルギー性鼻炎の明らかな先行がありその場合の鼻炎の発症は平均1.4歳と早かった。(7)Th2メモリー細胞の形質維持にはクロマチンリモデリングが重要だがIL-4は不要であった。
小児アレルギー性鼻炎患者は依然増加がみられ、特に小児のスギ花粉症患者は、多くは不変,悪化して成人に移行する。一方、減感作療法の有効性は高く成人にも効果は持続する。他方、小児では喘息など他のアレルギー疾患との相互関連が深く、また気道粘膜免疫の発達や小児で罹患頻度が高い上気道感染症の影響など、小児特有な病態の検討が望まれる。新しい治療法の確立として患者負担の少ない舌下減感作療法を開始した。
小児アレルギー性鼻炎患者は依然増加がみられ、特に小児のスギ花粉症患者は、多くは不変,悪化して成人に移行する。一方、減感作療法の有効性は高く成人にも効果は持続する。他方、小児では喘息など他のアレルギー疾患との相互関連が深く、また気道粘膜免疫の発達や小児で罹患頻度が高い上気道感染症の影響など、小児特有な病態の検討が望まれる。新しい治療法の確立として患者負担の少ない舌下減感作療法を開始した。
結論
増加する小児アレルギー性鼻炎は他のアレルギー疾患との関連が深く総合的な取り組みが必要である。また、難治性であり患者負担の少ない減感作療法を含め。新しい治療法の確立が急がれる。
公開日・更新日
公開日
2005-05-12
更新日
-