非サブタイプB型HIVにおける薬剤耐性ジェノタイプ解析アルゴリズムに関する研究

文献情報

文献番号
200400659A
報告書区分
総括
研究課題名
非サブタイプB型HIVにおける薬剤耐性ジェノタイプ解析アルゴリズムに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
山本 直彦(名古屋大学大学院医学系研究科(国際保健医療学))
研究分担者(所属機関)
  • 市村 宏(金沢大学大学院医学系研究科(国際環境保健学))
  • 大竹 徹(大阪府立公衆衛生研究所(病理課))
  • 金田 次弘(名古屋医療センター(臨床研究センター))
  • 森下 高行(愛知県食品衛生検査所(検査課))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
インドおよびアフリカ・ケニアにおける地域に多く流行する非サブタイプBを中心に、薬剤耐性HIVの遺伝学的特徴 (genotype) と感染性 (phenotype)との関連を構築し、開発途上国における将来の薬物治療など、AID対策に重要な基礎的および臨床的データーを提供する事を目的とする。
研究方法
ケニアにおいてはKenya Medical Research InstituteのOchieng博士とPumwani villageのAlifaman博士、インドにおいてはSanjay Gandhi Postgraduate Institute Medical SciencesのDhole博士の協力を得て、患者血清を採取し、逆転写酵素およびプロテアーゼ領域の変異部位を解析した。その結果と関連する臨床的データーおよびサブタイプBを基にした薬剤耐性のデーターと比較検討し、新たに得られた逆転写酵素あるいはプロテアーゼ領域の変異部位におけるgenotypeを検討した。
結果と考察
ケニアにおいて、治療に抵抗性を示した患者について解析をしたところ、逆転写酵素領域のQ11NとK20R (subtype A1), I135L/M (subtype G), R135T, T139K, C181Y (subtype D) の5ケ所において、また、未治療感染者156例の逆転写酵素領域において、Y69S/P/L(サブタイプAとD)、V106I(サブタイプAE)、Y115GとY181D(サブタイプA)、K103S, V118C, L210S(サブタイプC)がみられた(サブタイプBでは, T69D, V106A/M, Y115F, Y181C/I, K103N, V118I, L210W)。また、プロテアーゼ領域において、V82I(サブタイプCとD)がみられた(サブタイプBではV82/A/F/T/S/L)。さらに、インドのサブタイプC1例の逆転写酵素領域において、V118C, L210S/L,がみられた(サブタイプBでは、それぞれV118I, L210W)。
結論
非サブタイプBの薬剤耐性関連遺伝子を解析をしたところ、サブタイプBには報告されていない変異部位として、逆転写酵素領域のQ11N, K20R, Y69S/P/L, K103S, V106I, Y115G, V118C, I135L/M, R135T, T139K, C181Y, Y181D, L210Sが、プロテアーゼ領域において、V82Iがみられた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-13
更新日
-