文献情報
文献番号
200400641A
報告書区分
総括
研究課題名
免疫賦活を応用したHIV感染症の治療開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岡 慎一(国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター)
研究分担者(所属機関)
- 滝口雅文(熊本大学エイズ学研究センター)
- 松下修三(熊本大学エイズ学研究センター)
- 森内浩幸(長崎大学医学部小児科)
- 満屋裕明(熊本大学医学部第2内科)
- 江川滉二(㈱メディネット)
- 立川夏夫(国立国際医療センターエイズ治療・研究開発センター)
- 白阪琢磨(国立病院機構大阪医療センターHIV/AIDS先端医療開発センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
100,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
HIV治療が長期にわたるという点からいくつかの課題が残されている。本研究は、これら課題克服を目的に以下の4つの柱で遂行した。
柱1:HIVに合併する悪性リンパ腫の治療法の開発、
柱2:免疫再構築症候群に対する対処法の開発、
柱3:現状の治療薬に対する耐性ウイルスの克服、
柱4:免疫賦活を応用した現状の治療の進展
柱1:HIVに合併する悪性リンパ腫の治療法の開発、
柱2:免疫再構築症候群に対する対処法の開発、
柱3:現状の治療薬に対する耐性ウイルスの克服、
柱4:免疫賦活を応用した現状の治療の進展
研究方法
柱1:悪性リンパ腫HIV患者に対して、化学療法に免疫療法を併用した。
柱2:カリニ肺炎と確定した5例の血清中のサイトカインパターンの解析を行った。
柱3:AK602(spirodiketopiperazine誘導体)の作用機序の解析を行った。更に変異CCR5とケモカイン・CCR5阻害剤との結合能の変化のデータを元に、これらとCCR5との結合様式の解析を進めた。
柱4:急性感染者に対するSTI療法の例において、実際にCTLが誘導されているかどうかを経時的にテトラマーを用いて解析した。
柱2:カリニ肺炎と確定した5例の血清中のサイトカインパターンの解析を行った。
柱3:AK602(spirodiketopiperazine誘導体)の作用機序の解析を行った。更に変異CCR5とケモカイン・CCR5阻害剤との結合能の変化のデータを元に、これらとCCR5との結合様式の解析を進めた。
柱4:急性感染者に対するSTI療法の例において、実際にCTLが誘導されているかどうかを経時的にテトラマーを用いて解析した。
結果と考察
柱1:抗原提示能の強い成熟樹状細胞を皮内投与することで、EBV抗原に特異的に反応する細胞が体内で確認された。この治療によりEBVの体内での増殖を阻止し、B細胞リンパ腫の進行を抑制する事が期待される。
柱2:血中サイトカイン測定がIRS発症の予知検査となる可能性を検討したが、はっきりとした結果を得られなかった。
柱3:本研究の意義として臨床試験段階にあるAK602のより詳細な基礎的データの蓄積がなされたことに加えて、生体への影響の少ない新たな薬剤開発のための新たな知見が得られたことが挙げられる。
柱4:STI成功例では、免疫学的にも裏付けられる結果が出ており、確かに一部には有効例のあることがわかった。
柱2:血中サイトカイン測定がIRS発症の予知検査となる可能性を検討したが、はっきりとした結果を得られなかった。
柱3:本研究の意義として臨床試験段階にあるAK602のより詳細な基礎的データの蓄積がなされたことに加えて、生体への影響の少ない新たな薬剤開発のための新たな知見が得られたことが挙げられる。
柱4:STI成功例では、免疫学的にも裏付けられる結果が出ており、確かに一部には有効例のあることがわかった。
結論
当班の研究は、2年目を迎え、各柱において大きな進展が見られた。
柱1では、有効なCTLを誘導できる細胞療法の投与法を見いだせたと。柱3では、免疫系に影響しない侵入阻害薬が開発でき、米国で第2相試験まで進行したことの意義は非常に大きく、柱4においては、ほぼ最終段階にまできている。このように、先の3つの柱の研究においては、ほぼ予定通りの進行をしており、今後の発展に寄与することが期待できる。しかしながら、柱2では、2年目で予定していたレベルに検討症例数、検討内容とも到達できておらず、もう一度綿密な計画の立て直しが必要であると考えられる。
柱1では、有効なCTLを誘導できる細胞療法の投与法を見いだせたと。柱3では、免疫系に影響しない侵入阻害薬が開発でき、米国で第2相試験まで進行したことの意義は非常に大きく、柱4においては、ほぼ最終段階にまできている。このように、先の3つの柱の研究においては、ほぼ予定通りの進行をしており、今後の発展に寄与することが期待できる。しかしながら、柱2では、2年目で予定していたレベルに検討症例数、検討内容とも到達できておらず、もう一度綿密な計画の立て直しが必要であると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2005-05-13
更新日
-