大規模感染症発生時における行政機関、医療機関等の間の広域連携に関する研究

文献情報

文献番号
200400632A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模感染症発生時における行政機関、医療機関等の間の広域連携に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大久保 一郎(国立法人筑波大学 人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 藤本眞一 (草津保健所)
  • 岩崎恵美子(仙台検疫所)
  • 山本光昭(東京検疫所)
  • 柏樹悦郎(関西空港検疫所)
  • 嶋津岳士(大阪大学医学部)
  • 村田厚夫(杏林大学医学部)
  • 谷口清洲 (国立感染症研究所)
  • 緒方剛  (つくば保健所)
  • 青木節子(慶応大学総合政策学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
17,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1 感染症法施行後の自治体等における対応状況の把握
2 諸外国における感染症法制、テロ対策法制等の実態の把握
3 バイオテロ発生時に対応の検討
研究方法
1 保健所、地方衛生研究所等の自治体へのアンケートによる調査
2 外国の関連法規の文献検索等、海外での関係者との情報交換
3(1) SARS,天然痘発生を想定した模擬訓練の実施
(2) 自治体や感染症指定医療機関等を含めた広域連携のための会議の開催
(3) 参考となるマニュアルの検索及び作成
(4) 症候群サーベオランスの見直し検討
(5) 北京、台湾の行政及び医療関係機関の視察および関係者との意見交換
結果と考察
1 参加型研修を継続的に行う体制が整っている保健所は半数以下に留まっていた。
2 地方衛生研究所19機関において、兼任を含め疫学情報担当者が所内にいるのは、半数以下であった。
3 衛生研究所における「SARS検査マニュアル」等の各種マニュアルが改訂できた。
4 法的拘束力のないIHRの効果的な履行にはグローバルガバナンスの理論等を用いたプログラムを重ねることが必要である。
5 港湾管理者や海上保安部等の港湾管理保安主管部局との連絡調整が必要であることが明らかとなった
6 Parkland NBC Readiness Guidelinesの翻訳を昨年度の研究の一環として行った。
7 平常時のアウトブレイクサーベイランスと対応を確実に行うことが基本であり、そのためには、欧米で試行されているような自動でデータを収集するメカニズムが不可欠である。
8 北京、台湾の事例より、行政の対応は公衆衛生部門だけでは不可能であり,医療・福祉・環境・警察・消防・教育・財政等あらゆる行政機関の協力が必要である。
結論
1 保健所が名実ともに地域の健康危機管理において中心的な役割を果たすためには、各保健所で参加型研修を積み重ねられるシステムの構築が不可欠である。
2 改正IHRが最終的に決定されれば、日本もこれを遵守する立場にあり、アウトブレイクサーベイランスを強化する必要がある。
3 ブロック単位で実施する危機管理会議のような組織が不可欠である。
4 病院が独自の災害対応計画を作成することが必要である。
5 首長を中心とした行政全体の連携と住民とのリスクコミュニケーションを改善することである。

公開日・更新日

公開日
2005-03-30
更新日
-

文献情報

文献番号
200400632B
報告書区分
総合
研究課題名
大規模感染症発生時における行政機関、医療機関等の間の広域連携に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大久保 一郎(国立法人筑波大学 人間総合科学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 近藤健文(環境省公害健康被害不服審査会(前慶応大学医学部))
  • 藤本眞一    (草津保健所)
  • 岩崎恵美子   (仙台検疫所)
  • 山本光昭     (東京検疫所)
  • 丸山浩   (自治医科大学医学部(前関西空港検疫所))
  • 柏樹悦郎    (関西空港検疫所)
  • 嶋津岳士    (国立大学法人大阪大学医学部)
  • 村田厚夫    (杏林大学医学部)
  • 谷口清洲    (国立感染症研究所感染症情報センター )
  • 緒方剛     (つくば保健所)
  • 青木節子    (慶応義塾大学総合政策学部)
  • 望月靖(人事院職員福祉局(前新潟検疫所))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1感染症法施行後の各自治体等における対応状況を把握し、感染症危機管理のマニュアル等の作成
2行政区域を超えた広域対応のあり方を検討し、関係機関の連携強化の基礎作り
3諸外国における感染症法制、テロ対策等の実態を把握し、感染症関係法規の見直しの基礎資料作成
4バイオテロ等の発生時の対応を検討し、行政への提言
研究方法
1保健所、地方衛生研究所等の自治体へのアンケートによる調査
2外国の関連法規の文献検索等、海外での関係者との情報交換
3(1)SARS,天然痘発生を想定した模擬訓練の実施
(2)自治体や感染症指定医療機関等を含めた広域連携のための会議の開催
(3)感染症指定医療機関及び災害拠点病院へのアンケート調査
(4)参考となるマニュアルの検索及び作成
(5)数理モデルによる天然痘流行状況と介入政策評価
(6)北京、台湾の施設の視察及び関係者との意見交換
結果と考察
1空港検疫におけるSARS検疫マニュアルを作成した。
2近畿ブロックや東北ブロックにおいて各地方自治体、地方厚生局、検疫所による協議会等を設立し、関係機関との協調関係を構築した。
3SARSや天然痘発生時における模擬訓練を自治体と関係機関の連携の下で実施し、課題を整理した。
4数理モデルによる天然痘発生時における患者数の推計及び介入政策の評価を行った。
5バイオテロに対する国際的枠組を調査し、日本において今後改善すべき点を明確にした。
7 FIFAワールドカップ時のWeb-based症候群サーベーランスシステムを構築して実施した。
8救命センターや災害拠点病院における対応状況を把握し、施設間の連絡網の必要性を示した。
9北京、台湾におけるSARSや鳥インフルエンザへの行政及び医療機関の具体的な対策を調査した。
結論
1ブロック単位で実施する危機管理会議のような関係機関の連携がとれた組織の必要性
2保健所、地方衛生研究所における継続的参加型研修の必要性
3症候群サーベイランスシステムの構築改善を含めたバイオテロ等を迅速に察知するための新しい方策の検討
4諸外国の法整備の進展と運用状況を継続して注視する必要性
5改正IHRへの適切な対応
6マニュアルの作成を含めた医療機関での対応強化の必要性
7首長を中心とした行政全体の連携と住民とのリスクコミュニケーションの改善等

公開日・更新日

公開日
2005-03-30
更新日
-