水痘、流行性耳下腺炎、肺炎球菌による肺炎等の今後の感染症対策に必要な予防接種に関する研究

文献情報

文献番号
200400623A
報告書区分
総括
研究課題名
水痘、流行性耳下腺炎、肺炎球菌による肺炎等の今後の感染症対策に必要な予防接種に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 神谷  齊(独立行政法人 国立病院機構 三重病院)
  • 森  康子(独立行政法人 医薬基盤研究所 基盤研究部)
  • 浅野 喜造(藤田保健衛生大学 小児科)
  • 生方 公子(北里大学 生命科学研究所 感染情報学研究所)
  • 田代 眞人(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 堤  裕幸(札幌医科大学 医学部 小児科学講座)
  • 大石 和徳(長崎大学 熱帯医学研究所 感染症予防治療研究分野)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 大日 康史(国立感染症研究所 感染症情報センター)
  • 平原 史樹(横浜市立大学大学院医学研究科 生殖生育病態医学(産婦人科学) )
  • 宮崎 千明(福岡市立西部療育センター)
  • 横田 俊平(横浜市立大学 医学部 小児科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
36,675,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
水痘、ムンプス、肺炎球菌感染症の予防接種の必要性に関して基礎、臨床、疫学、医療経済学の観点から検討することを最大の目的とする。さらに風疹については詳細な現状分析と対策、今後の風疹ワクチンのあり方について、ワクチン関連の可能性が疑われる急性散在性脳脊髄炎(ADEM)報告数が増加しているところからその詳細な現状分析と疫学調査、についての検討を緊急的に加えた。
研究方法
基礎実験的研究は、田代・加藤、岡部・斎加、森(平成16年度山西と交代)、大石、生方各分担研究者で、水痘、ムンプスのdisease burdenに関する研究は、多屋、神谷・庵原・中野、浅野・吉川、堤各分担研究者で、医療経済的研究は大日分担研究者を中心として行っている。風疹については平原、ADEMについては宮崎を分担研究者としてまとめている。
結果と考察
初年度は対象疾患の国内外論文をレビュー、保育園・学校等における欠席者調査、地域における重傷化例の実態調査を実施。肺炎球菌の薬剤耐性菌状況、抗体価測定システム確立、ワクチン効果、水痘ワクチン弱毒化のメカニズム解析、野外ムンプスウイルスに対する現行ワクチンの防御効果、ワクチンウイルスの安全性評価実験系の確立を実施した。2年度は、全国の医療機関を対象とした水痘、ムンプスの重症化例の発生動向を調査。ワクチンの費用効果を算定。ムンプスウイルスの神経病原性を評価する方法としてマーモセット脊髄内接種試験はは妥当な試験方法であることを確認。水痘ワクチンウイルスの弱毒化の機構について研究。高齢者における肺炎球菌ワクチンの効果、インフルエンザワクチン併用の有用性などを検討。耐性菌(PRSP)が国内で増加しつつあることを指摘。健康危機情報「風疹流行および先天性風疹症候群の発生抑制に関する緊急提言」提出、風疹対策の啓発活動を行った。ADEM調査については大規模アンケート調査を開始した。
結論
3年計画経過中であり、まだ一定の結論は得られていない。最終年度は、これまでの調査研究内容を基に、詳細な分析を行い、また必要に応じて調査規模の拡大を行うなどして、disease burdenについて多方面より詳細な解析を行う。ワクチン弱毒のメカニズム、安全性の評価の研究、抗菌薬耐性の状況、風疹対策への研究と提言、ADEMの現状に関する調査分析も、本研究の最終年度継続テーマとして行う。最終的には計3年間の研究成果により研究対象疾病の現状を明確にし、予防接種の利用方法について検討し、国の感染症対策ことに予防接種に資する報告をまとめる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-20
更新日
-