ウイルスペクターを応用したワクチン開発迅速化のための基盤的技術開発の研究

文献情報

文献番号
200400604A
報告書区分
総括
研究課題名
ウイルスペクターを応用したワクチン開発迅速化のための基盤的技術開発の研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
森本 金次郎(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 篤(国立感染症研究所 ウイルス第三部)
  • 倉根 一郎(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 高崎 智彦(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 西條 政幸(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 井上 直樹(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 西園 晃(大分大学 医学部)
  • 錫谷 達夫(福島医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
42,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 ウイルスベクターとして使用可能な狂犬病ウイルス、センダイウイルスを用い、外来ウイルス抗原遺伝子を組込んだ組換えウイルスを作製、有用なワクチンのないウイルスに対する新たなワクチンの開発を目指す。ワクチン開発に不可欠な動物実験モデル系の開発、ワクチン評価法、抗体産生等の技術への応用も目指す。ウイルスベクターを利用することにより、有効な免疫原性を得られないワクチンや本来のウイルスワクチンでは困難である問題を克服するための基盤的な技術の開発を目指す。
研究方法
 組換えウイルス作製にはセンダイウイルスのベクター発現系と狂犬病ウイルスのベクター発現系を用いた。VSVシュードタイプの作製にはVSVの組換えウイルス作製法を用いた。P遺伝子欠損狂犬病ウイルスを用いたマウス感染実験、ヘルペスウイルスを用いたマウス感染実験、サル痘ウイルスを用いたカニクイザル感染実験を行った。狂犬病ウイルス中和モノクローナル抗体Fabのクローニングを行った。
(倫理面への配慮)
 動物実験は各研究施設の動物実験委員会による審査を受け承認を得た後行われた。ヒト検体を用いる研究は各研究機関の審査を受け倫理委員会の承認を得た後行われた。
結果と考察
 狂犬病ウイルスベクターを改良し、遺伝子欠損ウイルスを作製、ワクチンとしての有効性を検討した。狂犬病ウイルス感染における免疫応答機構を解析した。日本脳炎ウイルス、デングウイルスに対しての組換えウイルスワクチンの作製を開始した。また、センダイウイルスベクターを用い、インフルエンザウイルスHA蛋白質を産生する組換えセンダイウイルスを作製した。より安全な痘そうワクチン開発のため、霊長類を用いた感染モデルを確立した。宿主の免疫から回避する機能の欠損したヘルペスウイルスの弱毒生ワクチンとしての有効性を検討した。サイトメガロウイルスのVSVシュードタイプによる中和抗体測定法を開発した。抗狂犬病ウイルス中和抗体Fab遺伝子のクローニングに成功した。
結論
 狂犬病ウイルスおよびセンダイウイルスベクター系を利用し、他種ウイルス抗原をもつ組換えウイルスの作出を行った。ヘルペスウイルス、痘そうウイルス感染モデル系を確立、そのワクチン評価系を確立した。ウイルスに対する中和抗体価を有するヒト型Fab抗体遺伝子のクローニングに成功した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-08
更新日
-