文献情報
文献番号
200400600A
報告書区分
総括
研究課題名
大規模感染症発生時の効果的かつ適切な情報伝達の在り方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
丸井 英二(順天堂大学医学部)
研究分担者(所属機関)
- 内山 巌雄(京都大学大学院工学研究科都市環境工学専攻)
- 吉川 肇子(慶應義塾大学商学部)
- 堀口 逸子(順天堂大学医学部)
- 大日 康史(国立感染症研究所情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
22,550,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
感染症に関する情報に関して、その情報の受け手側、発信者側、受け皿の3視点から捉え現状を明らかにすること。
研究方法
受け手側の現状としては、感染症と健康に影響を与える食や環境問題についてどのようにリスクを認知しているのか、全国に在住する20歳以上の2000人を抽出し面接法によって調査した。
発信者側としての行政機関の現状としては、過去の感染症事例において、どのように情報が発信されたのか、通知文、テレビ映像、新聞報道などの資料の収集を図り精査する。これら資料に基づき、メディア関係者・学識経験者・行政担当者・企業のリスク管理担当者をメンバーとするグループディスカッションを実施し、課題を抽出する。またメディア関係者へのグループディスカッション、地方行政機関の担当者へのインタビューを行い、抱えている課題を捉える。
発信者側としての行政機関の現状としては、過去の感染症事例において、どのように情報が発信されたのか、通知文、テレビ映像、新聞報道などの資料の収集を図り精査する。これら資料に基づき、メディア関係者・学識経験者・行政担当者・企業のリスク管理担当者をメンバーとするグループディスカッションを実施し、課題を抽出する。またメディア関係者へのグループディスカッション、地方行政機関の担当者へのインタビューを行い、抱えている課題を捉える。
結果と考察
受け手側の現状:国民の意識では、健康、食、環境いずれについても、関心は高かった。同じ内容のリスクであっても、自分や身近な他者に対するリスク認知と日本社会全体に対するリスク認知は異なっており、前者に対しての方が、相対的にリスク認知が高かった。また、リスク認知の構造も異なっていた。健康問題に関心がある人ほど、食品リスクに対しても、病気リスクに対しても、関心が高かった。環境問題に「まったく関心がない」と回答した人は、有意に病気リスクの認知が低かった。信頼できる情報源については、性差および年齢差が見られた。
発信者側の現状:行政機関(厚生労働省)からの情報伝達(内容)が適切かどうか検証するためのチェックリスト作成を試みた。チェックリストは、情報伝達の視点から日本における過去の発生の有無、そして現在の国内外の発生の有無から4分類、情報は「出し方」「内容」「表現」の3つに分類され、「発生時」に利用するものとして完成した。今後は、感染症発生時にこのチェックリストが利用され、その際のメディア報道及び国民の対応を観察し、正しく情報伝達ができたか等を検証する必要がある。メディア側の現状では、情報の入手も重要であるが、情報の評価も重要になってくると認識していたが、専門性が高い話題になると難しく、中立的な立場での評価者を必要としていた。
発信者側の現状:行政機関(厚生労働省)からの情報伝達(内容)が適切かどうか検証するためのチェックリスト作成を試みた。チェックリストは、情報伝達の視点から日本における過去の発生の有無、そして現在の国内外の発生の有無から4分類、情報は「出し方」「内容」「表現」の3つに分類され、「発生時」に利用するものとして完成した。今後は、感染症発生時にこのチェックリストが利用され、その際のメディア報道及び国民の対応を観察し、正しく情報伝達ができたか等を検証する必要がある。メディア側の現状では、情報の入手も重要であるが、情報の評価も重要になってくると認識していたが、専門性が高い話題になると難しく、中立的な立場での評価者を必要としていた。
結論
国民の感染症に対するリスク認知は高く、それを踏まえた情報発信の在り方を明確にすることが重要である。また発生時だけでなく日常の情報発信について研究をすすめる必要がある。
公開日・更新日
公開日
2005-06-01
更新日
-