粘膜ワクチン開発の基礎となるアジュバントに関する研究

文献情報

文献番号
200400590A
報告書区分
総括
研究課題名
粘膜ワクチン開発の基礎となるアジュバントに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
清野 宏(東京大学 医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 竹田 美文(実践女子大学 教授)
  • 濱端 崇(国立国際医療センター)
  • 高木 広明(株式会社プロテインエクスプレス)
  • 竹田 潔(九州大学)
  • 萩原 由香利(社団法人 北里研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
目的:無毒化変異型(mCT)とキメラ型アジュバント(mCT-A/LT-B)の実用化に向けた臨床試験開始へ向けての基礎・応用研究両方を推進する。
研究方法
第一世代として開発されたmCTの臨床試験へ向けて、霊長類での検討を進める。そこで、ワクチン抗原と粘膜アジュバントmCTを経鼻免役した。コントロールとしてCT併用群と抗原単独群を各々おいている。粘膜関連組織と全身免疫関連組織での抗原特異的免疫応答誘導について検討を進める。さらに、安全性についても、経鼻免疫後の嗅覚細胞を介した中枢神経系への伝播についての検討を免疫組織学的ならびに生化学的手法を併用して確認する。次世代アジュバントとして期待される合成ペプチド型アジュバント開発に向けてCT遺伝子欠損・置換させた一連のライブラリーの構築を進め、その発現・精製を行う。さらにTLR標的型粘膜アジュバント開発への基礎研究を立ち上げる。
結果と考察
我々が開発した第一世代粘膜アジュバントであるmCTの免疫増強効果をヒトに近い霊長類を使用して検討した。ワクチン抗原とmCTを混合し経鼻ワクチンとして投与すると、血清中に抗原特異的IgG抗体が誘導された。さらに、分泌液中には抗原特異的IgA抗体が誘導された。さらに、経鼻免疫と言う事で、嗅覚細胞を介しての抗原・mCTの中枢神経系への沈着などの影響も検討したが、顕著な影響を認める事はなかった。これらの事実はmCTの粘膜アジュバントとしての有効性を示唆しているが、今後は経口アジュバントとしての有効性も検討していかなければならない。さらに、CT由来ペプチドアジュバントや自然免疫の観点からの新規アジュバントについても検討が開始されている。
結論
第一世代粘膜アジュバントであるmCTの免疫増強効果をヒトに近い霊長類を使用して確認する事が出来た。

公開日・更新日

公開日
2005-04-20
更新日
-