3Dサウンドを利用した視覚障害者のための聴覚空間認知訓練システム

文献情報

文献番号
200400586A
報告書区分
総括
研究課題名
3Dサウンドを利用した視覚障害者のための聴覚空間認知訓練システム
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
関 喜一(独立行政法人産業技術総合研究所人間福祉医工学研究部門)
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 哲司(国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本応募テーマでは、視覚障害教育・リハビリテーションにおける、聴覚空間認知、即ち、光ではなく音を手がかりに自動車や建造物などの物体の存在を知る技能を獲得させるための訓練システムを3Dサウンド技術を用いて開発することを目的とする。
研究方法
研究分担として、主任研究者 関喜一 は音響システムの技術面の構築を担当する。研究分担者 佐藤哲司 は聴覚空間認知訓練のカリキュラムの作成を担当する。研究期間は3年とし、2003年度は、音響システムのハードウェアの構築とカリキュラムの原案の作成、次年度はカリキュラムのソフトウェア化と被験者試験、最終年度は被験者試験結果に基づいた実用化のための改良を行う。
結果と考察
今年度は、3Dサウンドシステム(H15年度成果)に頭部・膝位置センサを装備した訓練システムの構築を行い、また仮想訓練環境や訓練カリキュラム(H15年度成果)のXML化を行った。
被訓練者の頭部位置を計測することによって、頭部が動いた場合、仮想環境の音像の相対位置をその逆方向に移動する制御を行うことにより、あたかも絶対位置が固定された環境の中に自分がいるかのような没入感を作り出すことができる。また訓練生の膝に位置センサをとりつけ、訓練生が”足踏み”することにより、膝の上下運動を検出して仮想空間内で歩行する方式を考案した。
仮想訓練環境と訓練カリキュラムは、独自のXML型式を考案して記述する方法を採用した。これらの技術内容については現在特許出願中である。
主任研究者の主観として、予想以上に自動車などの音源がリアルに再現されているという印象を受けた。来年度、被験者実験の結果を踏まえ、改良を施したい。
また、今年度の実験結果によって、SPRがストレス評価に有効であることが分かったので、今後本訓練システムのストレス軽減効果の評価に用いたい。また、実態調査結果を踏まえ、訓練プログラムの改良を行いたい。
結論
計画通り、3Dサウンドシステム(H15年度成果)に頭部・膝位置センサを装備した訓練システムの構築を行い、また仮想訓練環境や訓練カリキュラム(H15年度成果)のXML化を行った。また視覚障害教育・リハ関係の現場に対して音響訓練に関する実態調査を実施し、訓練プログラムの改良のために有用な知見を得た。
来年度は最終年度でもあり、被験者による客観的評価によってシステムに改良を施し、実用化を検討したい。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-