網膜ニューロンの緑内障性障害 -それに対する保護と再生-

文献情報

文献番号
200400583A
報告書区分
総括
研究課題名
網膜ニューロンの緑内障性障害 -それに対する保護と再生-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
新家 眞(東京大学医学部外科学専攻感覚運動機能医学眼科学)
研究分担者(所属機関)
  • 三嶋 弘(広島大学 医学部)
  • 阿部 春樹(新潟大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
緑内障は日本における中途失明の2大原因のひとつであるが、40歳以上の日本人の緑内障の有病率は5。8%と非常に高く、又、高齢者ほどその有病率が高いことから、今後の高齢人口の増加に伴い緑内障患者の更なる増加が予想されている。現在の緑内障治療においてエビデンスが確立しているのは眼圧下降治療のみであるが、眼圧下降治療に加え得る新しい緑内障治療法の確立が現在の眼科学にとっての急務であり、国民医療上の重要な課題のひとつであると言える。緑内障の病態の本質は進行性の網膜神経節細胞の減少とそれに伴う視神経萎縮であることを考えると、神経節細胞及びその周辺に存在するグリア系細胞が眼圧下降以外の治療法の主たるターゲットとなることが予想される。本研究では、最新の分子生物学的手法を用いて、緑内障の病因に関与するタンパク質の検討や、神経節細胞、グリア系細胞を含めた網膜ニューロンの、それぞれ単独、及び共同での生理的活動及び障害機転の検討を行うことで、緑内障における網膜神経細胞死の本態を明らかにし、新しい神経保護薬物治療の開発を行う。
研究方法
以下の各研究を行った。①高眼圧モデルマウスの視神経障害パターンの検討、②網膜神経節細胞(RGC)に蛍光色素を発するマウスの眼底観察による経時的網膜障害観察、③ラットRGCの低酸素負荷神経細胞死に対する点眼薬の神経保護効果、④ラットRGCの低酸素負荷神経細胞死に対するアポトーシス抑制物質の神経保護効果、⑤ラットRGCの酸化ストレス誘導神経細胞死に対しる植物系フラボノイドの神経保護効果、⑥網膜幹細・前駆細胞の取得と正常の検討。真皮由来幹細胞の網膜下移植、⑦緑内障モデルマウスにおける緑内障関連タンパク発現、⑧緑内障モデルマウスにおけるNMDA受容体ε1サブユニットの役割の解明、⑨蛍光蛋白発現マウスを用いた生体下網膜神経節細胞死評価法の確立。
結果と考察
上記の各研究の結果、緑内障モデル動物の視神経障害パターンや経時的変化、それに関連するタンパクや受容体などが明らかになりつつあり、又、網膜ニューロン障害を抑制する薬剤の開発や障害された各細胞の再生につながり得る基礎的な知見を得ることができた。
結論
緑内障モデル動物における網膜ニューロンの障害様式やそれに関与するメカニズムなどについて多くの知見を得ることができ、今後も研究を発展させていく予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-11-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)