高齢化に伴う失明疾患関連遺伝子多型とオーダーメード医療への活用

文献情報

文献番号
200400579A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢化に伴う失明疾患関連遺伝子多型とオーダーメード医療への活用
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
真島 行彦(慶應義塾大学医学部眼科)
研究分担者(所属機関)
  • 工藤 純(慶應義塾大学医学部分子生物学教室)
  • 大竹雄一郎(慶應義塾大学医学部眼科学教室)
  • 布施昇男(東北大学医学部眼科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本邦における後天性疾患の失明原因の上位として、糖尿病網膜症、緑内障、加齢性黄斑変性がある。高齢化社会を迎える日本において、失明への予防と新たな治療法が望まれる。緑内障患者において、種々の遺伝子多型(SNP)とのCase-control studyを行い、統計学的にそれぞれの遺伝子多型の危険度を明らかにする。
研究方法
1) 緑内障患者における緑内障遺伝子OPTN変異およびMYOC変異の検索
2)緑内障発症・進行に関する緑内障感受性遺伝子の探索
 80SNPsを解析する。対象は、正常対照300例、NTG340例、POAG278例である。
3)新規緑内障感受性遺伝子の同定
 ミオシリンとホモロジーのある遺伝子ノエリン2の遺伝子をスクリーニングした。
4)アンギオテンシンII受容体拮抗薬による新たな眼圧下降効果作用の応用
 眼圧下降効果と関連する遺伝子多型を明らかにする。
5)新規緑内障感受性遺伝子の同定
 SNPsを用いたCase-control studyにより感受性領域を、企業に委託し、解析した。
結果と考察
1)緑内障患者における緑内障遺伝子OPTN変異およびMYOC変異の検索
 MYOC変異は開放隅角緑内障患者3%に検出され、欧米とほぼ同じであった。OPTN変異は0.25%に検出され、日本人には非常に希な緑内障遺伝子であった。アメリカ人緑内障患者で報告された2つの変異は日本人では多型であった。
2)緑内障発症・進行に関する緑内障感受性遺伝子の探索
 10多型が緑内障と有意に危険因子として関連していた。
3)新規緑内障感受性遺伝子の同定
 家系の異なる2名に、144番アミノ酸のArg(CGG)が Gln(CAG)に変異していることを確認した。正常人240名には、この変異は見られなかった。
4)アンギオテンシンII受容体拮抗薬による新たな眼圧下降効果作用の応用
 カンデサルタン(12mg)内服による眼圧下降効果とAT2遺伝子3123A多型との関連があった。
5)新規緑内障感受性遺伝子の同定
 企業に委託し、解析した。現在統計学的に解析中である。
結論
合計918名を対象に緑内障遺伝子変異および緑内障感受性遺伝子多型のスクリーニングを開始し、幾つかの疾患感受性遺伝子多型を明らかにできた。これらのデーターを元に将来のオーダーメード医療を目指す目途がたった

公開日・更新日

公開日
2005-05-16
更新日
-

文献情報

文献番号
200400579B
報告書区分
総合
研究課題名
高齢化に伴う失明疾患関連遺伝子多型とオーダーメード医療への活用
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
真島 行彦(慶應義塾大学医学部眼科)
研究分担者(所属機関)
  • 工藤 純(慶應義塾大学医学部分子生物学教室)
  • 大竹 雄一郎(慶應義塾大学医学部眼科学教室)
  • 堀田 喜裕(浜松医科大学眼科)
  • 谷原 秀信(熊本大学医学部眼科)
  • 布施 昇男(東北大学大学医学部眼科)
  • 岩田 岳(東京医療センター・感覚器センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
緑内障は失明原因の2位で加齢と共に有病率が上がり、推定約300万人存在する。高齢化社会を迎える日本において、失明への予防と新たな治療法が望まれる。緑内障は多因子疾患であり、遺伝的危険因子を明らかにすることで、オーダーメード医療へ応用する。
研究方法
1) 緑内障患者における緑内障遺伝子OPTN変異およびMYOC変異の検索
2) 緑内障遺伝子変異診断パネルの作成
3) 緑内障発症・進行に関する緑内障感受性遺伝子の探索
4)新規緑内障感受性遺伝子の同定
5)アンギオテンシンII受容体拮抗薬内服による新たな眼圧下降効果作用の応用
6)新規緑内障感受性遺伝子の同定
7)正常眼圧緑内障患者の発見動機の調査
結果と考察
1)MYOC変異は開放隅角緑内障患者3%に検出され、欧米とほぼ同じであった。OPTN変異は0.25%に検出され、日本人には非常に希な緑内障遺伝子であった。アメリカ人緑内障患者で報告された2つの変異は日本人では多型であった。
2)インベーダー法による診断パネルのプロトタイプをビー・エム・エル社と共同開発した。
3)対象は、正常対照300例、NTG340例、POAG278例である。100SNPs中10SNPsが緑内障と有意に危険因子として関連していた。
4)ミオシリンとホモロジーのあるノエリン2の遺伝子をスクリーニングし、2家系に、144番アミノ酸のArg(CGG)が Gln(CAG)に変異していることを確認した。正常人240名には、この変異は見られなかった。
5)カンデサルタンを用いてプラセボーと比較した結果、有意の眼圧下降作用が確認された。内服による眼圧下降効果とAT2遺伝子3123A多型との関連があった。
6)企業に委託し、解析した。2番染色体において、感受性領域が存在したので、2次スクリーニングを開始した。
7)人間ドックや検診で疑われた症例が多いことが確認された。その場合、視野欠損が進行し、視神経乳頭陥凹がある程度進行して検出され、初期の段階では見逃されている可能性があることが判明した。
結論
合計918名を対象に緑内障遺伝子変異および緑内障感受性遺伝子多型のスクリーニングを開始し、幾つかの疾患感受性遺伝子多型を明らかにできた。これらのデーターを元に将来のオーダーメード医療を目指す目途がたった。また、早期発見のためのシステムの必要性が明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2005-05-16
更新日
-