文献情報
文献番号
200400576A
報告書区分
総括
研究課題名
盲ろう者の自立と社会参加を推進するための機器開発・改良支援システムならびに中間支援者養成プログラム作成に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
福島 智(東京大学先端科学技術研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 中野 泰志(東京大学先端科学技術研究センター)
- 伊福部 達(東京大学先端科学技術研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
盲ろう者向け機器に関する研究は多くあるが、現在、市販されている製品は皆無である。その主な原因として、1)ユーザの特性や生活上のニーズを十分反映できていなかったこと、2)市販を視野に入れた開発戦略が不十分であったこと、3)製品のフィッティングや使用方法を支援する人材を考慮していなかったことが考えられる。本研究の目的は、これらの問題点を解決するため、ライフステージや障害の状況ごとに実態やニーズを詳細に調査し、その結果に基づいて機器の仕様を決定し、盲ろう者向け支援機器を試作することである。
研究方法
本年度は3年計画の1年目で、ニーズ調査と基本機能モジュールの試作を行った。
(1) ニーズ調査:全国に36ある盲ろうの当事者団体と30の通訳・介助員派遣試行事業を運営している団体の協力を得て、盲ろう者の障害の実態とニーズに関するアンケートによる全国調査を実施した。また、全国で最も登録盲ろう者数の多い東京の当事者団体の協力を得て、当事者、家族、支援者に対する面接調査を実施した。
(2) 支援機器の開発と改良:盲ろう者のニーズを満たす支援機器の仕様を技術的に検討した。そして、支援機器の基本機能モジュールであるa)コミュニケーション支援機能とb)情報処理支援機能を実現する装置を設計・試作し、評価実験を行った。
(1) ニーズ調査:全国に36ある盲ろうの当事者団体と30の通訳・介助員派遣試行事業を運営している団体の協力を得て、盲ろう者の障害の実態とニーズに関するアンケートによる全国調査を実施した。また、全国で最も登録盲ろう者数の多い東京の当事者団体の協力を得て、当事者、家族、支援者に対する面接調査を実施した。
(2) 支援機器の開発と改良:盲ろう者のニーズを満たす支援機器の仕様を技術的に検討した。そして、支援機器の基本機能モジュールであるa)コミュニケーション支援機能とb)情報処理支援機能を実現する装置を設計・試作し、評価実験を行った。
結果と考察
(1) ニーズ調査結果:実態調査と面接調査から、コミュニケーションとセルフケアを支援するインテリジェント情報端末に搭載すべき機能が障害の実態とライフステージごとに明らかになった。
(2) 支援機器開発:上述のニーズを満たすモジュールとして、点字入出力が可能な情報処理支援機能を中核として、コミュニケーションを自立的に開始する注意喚起機能、伝えたい内容を正確に伝える発話機能を有するモジュールを開発した。しかし、評価実験の結果、発話機能が不十分だったため、改良し、十分な機能を持つ第2次試作機を完成させた。
(2) 支援機器開発:上述のニーズを満たすモジュールとして、点字入出力が可能な情報処理支援機能を中核として、コミュニケーションを自立的に開始する注意喚起機能、伝えたい内容を正確に伝える発話機能を有するモジュールを開発した。しかし、評価実験の結果、発話機能が不十分だったため、改良し、十分な機能を持つ第2次試作機を完成させた。
結論
全国調査と面接調査の結果、1)コミュニケーション機能、2)セルフケア支援機器制御機能、3)情報処理機能を有する携帯性が高く、メンテナンスが容易な支援機器に対するニーズが高いことがわかった。そこで、このような機能を有する支援機器の設計を行い、点字入出力、文字情報処理、発声・発話に関する基本機能モジュールを開発した。また、評価実験の結果に基づいて改良を行った。
公開日・更新日
公開日
2005-04-28
更新日
-