視覚障害者、盲ろう者向け音声・点字コンピュータ・オペレーティングシステムの開発

文献情報

文献番号
200400575A
報告書区分
総括
研究課題名
視覚障害者、盲ろう者向け音声・点字コンピュータ・オペレーティングシステムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
石川 准(静岡県立大学国際関係学部)
研究分担者(所属機関)
  • 河村 宏(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)
  • 寺島 彰(浦和大学総合福祉学部)
  • 湯瀬 裕昭(静岡県立大学経営情報学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
11,407,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、一般のコンピュータ環境においてはマイクロソフト株式会社のWindowsを中心とするGUIデスクトップ環境が圧倒的なシェアを有している。これに伴いこの十年近くは、視覚障害者もGUIを音声や点字出力で表現するスクリーンリーダの利用を余儀なくされている。だが、現段階のGUIオペレーティングシステムはGUIを暗黙の前提として設計されており、他のユーザインターフェースを想定して作られてはいない。そのため、こうしたコンピュータ環境は視覚障害者にとって、最良の環境とは言いがたい。以上のような実情を鑑み、我々はLinuxを始めとするUNIXの非常に充実したCUIのコンソール環境を対象に音声合成や点字表示の機能を追加し、視覚障害者向けのエディタ、ブラウザ、メーラ等の統合環境を開発することで、実用に耐えうる視覚障害者、盲ろう者向け音声・点字コンピュータ・オペレーティングシステムを実現する。
研究方法
我々は平成15年度に行った予備研究に基づき、既存の欧米版スクリーンリーダの移植や改良といったアプローチの限界を確認し、本格的なLinux用スクリーンリーダをスクラッチから開発するというアプローチを採用した。
結果と考察
今年度は目標とした高機能のLinuxスクリーンリーダの開発を行った。grd, grtty, grfepおよび音声・点字出力ドライバを開発し、Linuxスクリーンリーダが完成した。
結論
我々の研究において、スクリーンリーダの開発は最優先で実現しなければならないタスクであった。これが実現できた意義は大きい。このスクリーンリーダに搭載したAPIを用いて、エディタ、インターネットブラウザ、メールソフトウェア、ファイルマネージャ、そして配布パッケージの開発を順次行うことで、視覚障害者にとって、操作しやすく、しかも効率的なコンピュータ操作環境を実現できる手応えを得た。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-