内耳プロテオーム解析を応用した外リンパ瘻の新たな診断法の開発・治療指針の作成

文献情報

文献番号
200400574A
報告書区分
総括
研究課題名
内耳プロテオーム解析を応用した外リンパ瘻の新たな診断法の開発・治療指針の作成
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
池園 哲郎(日本医科大学耳鼻咽喉科)
研究分担者(所属機関)
  • 新藤晋(日本医科大学耳鼻咽喉科)
  • 渡邉 淳(日本医科大学第2生化学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 感覚器障害研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 難聴・平衡障害の原因疾患「外リンパ瘻」は迅速に手術治療を行うことで劇的な治療効果が得られる疾患である。本研究の目的は外リンパ瘻の新たな確定診断法を開発して、早期に確定診断し、治癒率の向上をもたらすことにある。
研究方法
 背景:外リンパ瘻の生化学的診断マーカーが確立していないため、確定診断がなされず治癒率の低下をもたらしている。我々は内耳プロテオーム解析を行い、外リンパ瘻の生化学的確定診断マーカーCTPを発見し国内・国際特許出願した。
 方法:確実にCTPを検出するためには、高い検出感度、特異度が求められる。数種類の抗CTPペプチド抗体を使用し、ウェスタンブロット法、サンドイッチ・エライザ法の基礎研究を行い、至適条件を設定する。従来の診断基準に則り、外リンパ瘻の疑い例に試験的鼓室開放手術を行い、術中サンプルを採取してCTPの存在を判定する。(倫理面の配慮)検体提供者に対しては試料採取前に研究の趣旨を説明し検体採取による不利益や危険性の無いことを説明、理解を得たうえで同意を得る。本学倫理委員会承認済みである。
結果と考察
A. サンドイッチ・エライザ法の基礎実験を行い、至適抗体組み合わせを検討した。B. ウェスタンブロットで下記のサンプルを解析した。(1)CTP検出特異性の検討   各種手術(人工内耳、外側半規管瘻孔、アブミ骨手術、聴神経腫瘍)で採取された外リンパを検査したところ全検体陽性であった。中耳に存在しうるその他の体液(血清、脳脊髄液、唾液、正常中耳洗浄液、中耳貯留液として滲出性中耳炎、慢性中耳炎)を検査したところ全検体陰性であった。CTPは外リンパ瘻診断マーカーとして最適な100%の特異性をもっている。(2)CTP検出感受性の検討 実際の臨床症例の中耳洗浄液を検討した。その結果、特発性外リンパ瘻では約50%、外傷性外リンパ瘻、側頭骨骨折では100%の症例から検出された。
結論
 本検査は世界で初めて外リンパ瘻の生化学的確定診断を可能にするものであり、今後国内外でマルチセンタースタディーを行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-23
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
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