文献情報
文献番号
200400550A
報告書区分
総括
研究課題名
精神保健の健康教育に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
渡辺 義文(山口大学医学部(高次神経科学講座))
研究分担者(所属機関)
- 山脇 成人(広島大学医学部)
- 堀口 淳(島根大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
中・高校生に対して、ストレスの引き起こす心身の障害、特に精神障害に対する正しい理解を深めるための学校現場で活用可能な具体的教育方法とその効果について検討した。
研究方法
1)「心の健康教育」の実施
広島、島根、山口3県の中学・高校各々6校の2年生を対象として、心の健康ならびに心の病気(精神障害)に関する講義と、統合失調症の当事者2名と精神科医1名による座談会形式の交流体験学習を行った。さらに、その効果を判定するために、精神障害(特に統合失調症)に関する認識度やイメージについてのアンケート調査を講義、交流体験学習の前後に行った。
(2)教師の意識調査、新たな「心の健康教育」プログラムの提案
(1)の結果と、学校における「心の健康教育」の実態ならびに教師の意識調査結果をふまえ、教師によって実践可能な「心の健康教育」プログラム案について中学、高校の養護教諭や保健体育科教師と検討した。
広島、島根、山口3県の中学・高校各々6校の2年生を対象として、心の健康ならびに心の病気(精神障害)に関する講義と、統合失調症の当事者2名と精神科医1名による座談会形式の交流体験学習を行った。さらに、その効果を判定するために、精神障害(特に統合失調症)に関する認識度やイメージについてのアンケート調査を講義、交流体験学習の前後に行った。
(2)教師の意識調査、新たな「心の健康教育」プログラムの提案
(1)の結果と、学校における「心の健康教育」の実態ならびに教師の意識調査結果をふまえ、教師によって実践可能な「心の健康教育」プログラム案について中学、高校の養護教諭や保健体育科教師と検討した。
結果と考察
(1)「心の健康教育」(講義と当事者との交流体験学習)の実施
中・高校生の精神障害に対する低い認識やネガティブなイメージが、講義と交流体験学習により顕著に改善したことから、この「心の健康教育」が、偏見除去の観点から重要かつ効果的であることが確認された。
(2)「心の健康教育」に関する教師の意識調査、新たな「心の健康教育」方法の提案
教師の意識調査から、教師の「心の健康教育」に対する認識の高さと、「心の健康教育」の実践を阻む要因として①カリキュラム上の制約、②精神医学的専門性の2つが明らかにされた。これらをふまえ、教師が現行のカリキュラムの枠内で無理無く実践できるプログラムとして、1)中学1年、高校1年を対象に、保健体育の2コマを活用し精神障害に関する正しい理解を深め、2)中学では道徳の1コマ、高校ではロングホームルームを活用して精神障害に対する差別・偏見について考える内容を提案した。
中・高校生の精神障害に対する低い認識やネガティブなイメージが、講義と交流体験学習により顕著に改善したことから、この「心の健康教育」が、偏見除去の観点から重要かつ効果的であることが確認された。
(2)「心の健康教育」に関する教師の意識調査、新たな「心の健康教育」方法の提案
教師の意識調査から、教師の「心の健康教育」に対する認識の高さと、「心の健康教育」の実践を阻む要因として①カリキュラム上の制約、②精神医学的専門性の2つが明らかにされた。これらをふまえ、教師が現行のカリキュラムの枠内で無理無く実践できるプログラムとして、1)中学1年、高校1年を対象に、保健体育の2コマを活用し精神障害に関する正しい理解を深め、2)中学では道徳の1コマ、高校ではロングホームルームを活用して精神障害に対する差別・偏見について考える内容を提案した。
結論
中・高校生に「心の健康教育」を行うことは、精神障害に対する偏見の芽を早期に摘み取る意味で有効かつ重要である。本研究で提案された「心の健康教育」プログラムが広く学校現場に普及し、青少年への精神障害に関する普及・啓発の大きな力となることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2005-06-23
更新日
-