精神障害者保健福祉手帳の判定のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200400541A
報告書区分
総括
研究課題名
精神障害者保健福祉手帳の判定のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
白澤 英勝(宮城県精神保健福祉センター)
研究分担者(所属機関)
  • 築島  健(札幌市精神保健福祉センター)
  • 山﨑 正雄(高知県立精神保健福祉センター)
  • 數川  悟(富山県心の健康センター)
  • 青木 眞策(愛媛県精神保健福祉センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
1,150,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、手帳判定における判定機関間の差異及びその差異を生じさせる要因を明らかにし、今後の手帳判定に関して全国標準化するめに必要な基礎的資料を得ることにある。
研究方法
全国60ヶ所の判定機関(精神保健福祉センター)を対象にアンケート記入方式で、①法第45条判定事務に関わる調査及び②模擬症例の判定に関わる調査を行った。また、精神障害者保健福祉手帳所持者100人を対象に、③精神障害者の手帳に関する評価の自記式アンケーと調査を行い、得られた結果を解析した。
結果と考察
全国60ヶ所の調査対象から①は59ヶ所(98.3%)、②は58ヶ所(96.7%)、③は100%の回答を得た。平成15年度の手帳等級判定結果を判定機関別に比較したところ大きな開きがあった。判定保留及び判定困難事例は全ての判定機関が経験しており、その取り扱いは診断書作成医師に診断書を返戻、電話や文書での照会を行っていた。診断書日常生活能力の判定(8項目)と総合判定(5段階)とが齟齬する事例、また、状態像の記載などが精神医学的整合性を欠く事例も全ての判定機関が経験していた。アルコール依存症、人格障害、てんかん、精神遅滞、乳幼児の精神障害、神経症圏(F4)、高次脳機能障害、広汎性発達障害、痴呆及び身体合併症を有する精神障害の取り扱いには、いずれの判定機関も苦慮していた。模擬症例10ケースについても等級判定結果に大きな差異がみられた。この差異の要因は①診断書作成に関わる医師の疾病と障害に対するとらえ方等が一致していないこと、②診断書に盛り込まれるべき情報が包括的であり、必ずしも十分ではないこと、③審査判定に関わる委員の、特に、疾病の重症度や障害の程度に関する判定基準が異なるために生じていること、が示唆された。
結論
手帳の審査判定の現況は、各審査判定機関間で大きな差異がみられた。この差異は無視しえないどころか、手帳制度の根幹に関わる深刻な問題を有している。これを解決するためには診断書作成に関わる医師に対する標準化された手引き、診断書に盛り込まれるべき情報を再検討し、診断書様式を見直すこと、審査判定を標準化するための判定基準を明確にすることが必要である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-21
更新日
-