身体障害者の障害認定基準の最適化に関する実証的研究

文献情報

文献番号
200400540A
報告書区分
総括
研究課題名
身体障害者の障害認定基準の最適化に関する実証的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岩谷 力(国立身体障害者リハビリテーションセンター(更生訓練所))
研究分担者(所属機関)
  • 柳沢信夫(関東労災病院)
  • 伊藤利之(横浜市総合リハビリテーションセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、過去に行った認定基準の論点の総論的な整理の結果を踏まえ、さらにICF以後における内外の動向の総括に基づいて深化させ被認定者の事例検討、被認定者の障害認定についての意識等の実証的データを踏まえ、医学的に妥当かつ横断的に整合性のとれた認定基準の考え方をまとめる。同時に、適切な運用を支えるため、障害者関連情報を収集し、認定マニュアルの作成や、再認定システムのあり方の考察を行うことを目的としている。
研究方法
内部障害に関する検討グループと肢体不自由に関する検討グループおよび障害関連情報の 収集・整理グループを設置し、それぞれにおいてテーマに沿った研究を実施した。主任研究者は、障害認定と障害者施策に資する情報収集を担当しつつ、全体の統括を行い、障害認定基準の最適化に向けた提言をまとめる。
16年度は、支援に当たる専門家等による、身体障害者手帳を取得する意義、等級のとらえ方、手帳取得のメリット等の意識調査から、現行制度における障害等級の意味や役割について整理する。リハビリテーションの観点からこれまでの認定基準の検討・実態・問題点の把握・検討し、そこから派生する問題点と改善策を検討する。
結果と考察
制度の運用状況ならびに問題点を明らかにするために、障害者手帳交付認定専門医を対象にアンケート調査を、また、各分野の専門医からの意見聴取作業を実施した。さらに諸外国の障害認定の状況に関し、11カ国を対象に文献による調査を実施した。その結果、アンケート調査では53件の回答を得るなど、身体障害者の障害認定基準の最適化に関する研究の基礎資料を得た。また、遷延性意識障害、高齢者、乳幼児の認定時期、成人の認定(症状固定)時期、機能障害程度の判定方法、下肢の機能障害に関して知見を得ることができた。
福祉機器給付制度における医学的診断の実情と役割等を明らかにするために、欧州を中心に18カ国に関し文献調査を実施した。その結果、ほとんどの国で給付にセラピストによる判定/アセスメントを必要としていること、ならびに、判定、処方箋などで医師の責任による審査が必須である国が半数近くあることが明らかになった。
結論
研究の初年度として、平成16年度は、都道府県認定担当医師からの意見聴取、認定専門医による現行制度の問題点と改善策に関する検討、諸外国の状況調査、障害認定にかかわる文献の詳細なレビューを行った。また、支援機器、ICF、認知リハビリテーション、再生医療など関連領域の状況についても調査した。その結果にもとづき、これまでの認定基準の実態や問題点を把握・検討し、その改善点を明らかにした。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-