障害者のエンパワメントの視点と生活モデルに基づく、具体的な地域生活支援技術に関する研究

文献情報

文献番号
200400537A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者のエンパワメントの視点と生活モデルに基づく、具体的な地域生活支援技術に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
谷口 明広(愛知淑徳大学 医療福祉学部福祉貢献学科)
研究分担者(所属機関)
  • 小田島 明(国立身体障害者リハビリテーションセンター更生訓練所指導部指導課)
  • 武田 康晴(華頂短期大学 社会福祉学科)
  • 土屋 健弘(京都市北部障害者地域生活支援センター「きらリンク」)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 エンパワメントとは何かということを整理したり、エンパワーしていく過程を明示したりする支援する方法論を日本の現状に合わせて提示しているものが見当たらない。障害者ケアマネジメントの真髄は、この「エンパワメント実践」に求めていき、その定義と実践方法を得ることを目的としている。
研究方法
(1)障害をもつ人たちのエンパワメントに関する調査
障害を受けた人たちがパワーレスの状態に陥る過程を検証していく。
(2)エンパワメント教育の実践における個人の心的変容に関する調査
エンパワメントを目的とした教室を開催し、自己決定と自己責任能力を開花させる。
(3)障害をもつ個人のエンパワメントを基本にした生活支援に関する調査
エンパワメントした個人と、しない個人とを対比させ、差異を検証していく。
(4)調査結果を踏まえたエンパワメントの理論的構築と実践マニュアルの作成
エンパワメントというものを日本的に理解できるような理論を構築していく。
結果と考察
(1) 「パワレス状況」に関する研究  全てのパワレス状況を設定できた訳ではないが、パワレス状況を生み出す要因を提示できたと考えている。
(2) 「エンパワメント」の定義確立に関する研究  同様の生活環境にある一般状況と比較してパワレス状況にある者が、パワレス状況を改善していく諸過程である。
(3) エンパワメントに関する個人調査研究  京都から広島までの各地における20事例を個別調査し、その中から9例を取り上げ、評価・分析を試みた。
(4) エンパワメント実践活動に関するプログラム研究  障害者自立生活支援センターで実践されている自立生活プログラムの実態を調査した。
結論
(1) エンパワメント定義の活用により、障害者福祉関連施設や各種教育機関においても、使用語彙の統一が為されることが期待できる。
(2) パワレス状況を回避する方策を提供することにより、障害児の家庭教育や教育機関での状況が改善されることが期待できる。
(3) 個人調査結果の提示と活用により、エンパワメントしたいと願っている障害をもつ人たちに対して、前例を見て「前向きな姿勢」になることが期待できる。
(4) エンパワメント・プログラム実践マニュアルの提供により、エンパワメント教育を質的に向上させることが期待できる。また、相談支援事業者や病院からの退院支援に関わる者に対しては、一定の指針を与えるものとして評価されると考えている。

公開日・更新日

公開日
2005-07-04
更新日
-