文献情報
文献番号
200400532A
報告書区分
総括
研究課題名
中枢性下肢麻痺者の歩行運動再建システムの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
二見 亮弘(東北大学大学院工学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 渡辺高志(東北大学情報シナジーセンター)
- Imre Cikajlo(東北大学大学院工学研究科)
- 加納慎一郎(東北大学大学院工学研究科)
- 半田康延(東北大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,420,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
機能的電気刺激(FES)を利用して,脊髄損傷や脳血管障害などに起因する運動機能麻痺を有する患者の歩行を再建するシステムを開発することを目的とした。
研究方法
本研究では,以下の点に着目した研究を実施した。
(1)局所的筋電駆動型下肢FES制御方式の開発
(2)筋骨格系の電気刺激応答モデルを用いた計算機シミュレーションシステムの開発
(3)下肢動作のFES制御方式の開発
(4)下肢動作を計測するセンサシステムと,麻痺患者がシステム操作を行うためのユーザインターフェイスの開発
(5)痙性の軽減方法に関する臨床的検討
(1)局所的筋電駆動型下肢FES制御方式の開発
(2)筋骨格系の電気刺激応答モデルを用いた計算機シミュレーションシステムの開発
(3)下肢動作のFES制御方式の開発
(4)下肢動作を計測するセンサシステムと,麻痺患者がシステム操作を行うためのユーザインターフェイスの開発
(5)痙性の軽減方法に関する臨床的検討
結果と考察
局所的筋電駆動型下肢FES制御方式を実現するシステムの設計と試作を行い,本方式が不全片麻痺患者の歩行補助として簡便かつ有効であることを臨床試験によって確認した。また,下肢FES制御方式の開発を計算機シミュレーションで実施可能にするために,計算機シミュレーションがFES制御に関する研究において有用であることを示し,筋骨格モデルの下肢運動制御への拡張とシミュレーションシステムの実現を進めた。そして,FESによる歩行制御や学習型制御器について計算機シミュレーションで実現可能性を示した。一方,臨床応用の観点から,下肢動作を計測するセンサシステムを検討し,下腿の傾斜角度の推定に有効な信号処理方法を開発した。また,麻痺患者がシステム操作を行うためのユーザインターフェイスについても検討し,特徴的動作を人工神経回路で認識して利用する方法の検出精度の改善を図り,眼電図などを利用する方法の信号計測・解析技術の有効性を示した。臨床適用の際の問題である痙性に対しては,治療的電気刺激(TES)によって痙性軽減が図れることを,脳卒中片麻痺患者でのH波記録により確認した。
結論
下肢のFES制御方式や動作計測のセンサシステム,麻痺者のユーザインターフェイスについては,有効な方法が確立されつつある。一方で,被験者での実験的検討に代わる計算機シミュレーションシステムも実現しつつある。さらに効果的な新しいFES制御方式を,計算機シミュレーションを通して開発していくとともに,臨床的評価を実施して実用的方法への展開を図ることが今後の課題である。
公開日・更新日
公開日
2005-04-28
更新日
-