文献情報
文献番号
200401378A
報告書区分
総括
研究課題名
メタボリックシンドロームにおけるアディポサイトカイン異常を標的とした心血管合併症治療・予防法の確立
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
下村 伊一郎(大阪大学大学院 生命機能研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【若手医師・協力者活用に要する研究】(健)
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
内臓脂肪蓄積を基盤とした、耐糖能異常、高脂血症、高血圧を合併するメタボリックシンドロームが、動脈硬化疾患の基盤として注目されている。私達は、脂肪組織、筋肉からアディポネクチン、ビスファチン、マスクリンといった新規内分泌因子を発見した。そしてアディポネクチンの過栄養負荷による分泌異常が、メタボリックシンドロームの病態に関与することを実験的に明らかにしてきた。これらの知見を実際の臨床に応用することを目指す。
研究方法
(A)横断研究 1)血中アディポネクチン濃度の基準値の設定2)内臓脂肪由来分泌因子ビスファチンと新規骨格筋由来分泌因子マスクリンの血中濃度測定系の開発(B)ライフスタイル介入研究 内臓脂肪量簡易測定法としての腹部インピーダンス法の開発とアディポネクチンの予防医学への応用 (C)薬剤介入研究 血中アディポネクチン濃度を上昇させる薬剤の同定 現在生活習慣病治療薬として市販されている薬剤が、血糖値、血圧、脂質値を変化させるのみでなく、内分泌因子群の是正を伴って代謝を好転させ動脈硬化を予防できるかを明らかにする。これらによって効率良く、かつ一般に普及しやすい、動脈硬化疾患予防のプログラムが形成される。
結果と考察
(A)1)血中アディポネクチン濃度がメタボリックシンドロームの診断マーカーになることを報告した(Circulation J. 2004)。その基準値の設定やライフスタイルおよび薬剤介入試験のため、A市市職員約3000例の健診サンプルを集めた。2)マスクリン、ビスファチンのモノクローナル抗体を作製した。
(B)腹部インピーダンス法を開発した(Diabetes Care 2005 28 451-453).従来の腹部CTは内臓脂肪量を正確に測定できる反面、被爆の問題や撮影時間など煩雑さの問題があった。腹部インピーダンス法は1分以内に測定でき低侵襲性も兼ね備え、腹部CTで測定した内臓脂肪量と極めて強く相関する(r=0.88(p<0.0001))。
(C)患者エントリーを行った。
(B)腹部インピーダンス法を開発した(Diabetes Care 2005 28 451-453).従来の腹部CTは内臓脂肪量を正確に測定できる反面、被爆の問題や撮影時間など煩雑さの問題があった。腹部インピーダンス法は1分以内に測定でき低侵襲性も兼ね備え、腹部CTで測定した内臓脂肪量と極めて強く相関する(r=0.88(p<0.0001))。
(C)患者エントリーを行った。
結論
内臓脂肪量を簡便に測定できる腹部インピーダンス法の開発を行った。今後健康診断の場などに活用できると考えられる。
血中アディポネクチン濃度の基準値の設定、新規内分泌因子の血中濃度測定系の開発、薬剤介入試験、ライフスタイル介入試験に関しては、研究計画どおり進捗している。
血中アディポネクチン濃度の基準値の設定、新規内分泌因子の血中濃度測定系の開発、薬剤介入試験、ライフスタイル介入試験に関しては、研究計画どおり進捗している。
公開日・更新日
公開日
2005-04-04
更新日
-