各種高脂血症治療薬の糖尿病性心血管病進展予防効果の総合的検討

文献情報

文献番号
200401370A
報告書区分
総括
研究課題名
各種高脂血症治療薬の糖尿病性心血管病進展予防効果の総合的検討
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
井口 昭久(名古屋大学大学院医学系研究科老年科学)
研究分担者(所属機関)
  • 林 登志雄(名古屋大学医学部・附属病院老年科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【若手医師・協力者活用に要する研究】(健)
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
3,488,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者糖尿病患者の血清脂質管理の実態を、高脂血治療薬投与及び動脈硬化学会ガイドライン準拠率を中心に検討した。
目的)高齢者における糖尿病合併高脂血症罹患者に対する薬物治療の実態を検討し
た。高脂血治療薬投与及び動脈硬化学会ガイドライン準拠率を中心に検討した。
虚弱及び自立高齢者に分類し高脂血症と各種バイオマーカーの関係を検討した。
研究方法
当該施設では糖尿病,耐糖能異常,非糖尿病,210,36,106名を登録し追跡調査を開始した。登録者平均年齢は64.5歳,各群の高脂血症合併率は78.2、72.2、53.5%であった。結果は、糖尿病コントロール指標値HbA1C 7.09%、TC 206.3,TG144.1,HDL-C 55.5mg/dlであった。糖尿病+高脂血症群は脂質管理目標達成率32.2%と低く、虚血性心血管病の発症入院、インターベンション等を評価する。脂質管理目標値達成によるイベント予防効果,高脂血症病態による発症頻度の差異、脳血管障害に対する効果,医療経済効果に方向性を出す事を目指す。当該施設の個別研究として凝固系等の遺伝子素因を評価いている。治療目標を米国推奨厳格基準群と本邦ガイドライン準拠群での無作為二重盲検を先行するため倫理委員会の承認を得た。非侵襲的検査-運動負荷試験,頸動脈超音波,内皮機能とバイオマーカーより総合判定する。心不全,認知症を二次エンドポイントとし解析する。
結果と考察
1670名の高齢者のうち、高脂血症の罹患者は44%で内訳は、998名の自立高齢者には約51%、672名の虚弱高齢者には34%の高脂血症合併を認めた。高脂血症ガイドライン脂質管理値達成率は58%、69%であった。糖尿病合併者(12%)の高脂血症の頻度は、各々約12%、6%と前者は糖尿病合併者の80%に認めたが脂質管理目標値達成率は29%, 52%であった。
結論
本研究の意義は具体的な糖尿病、高脂血症の治療指針の策定にあるが、更に、長寿社会,日本で増加する生活習慣病自体の合併、心及び脳血管障害合併者の診療、二次予防は、総合診療学、老年科学の領域でも重要と考えられる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-18
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
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