文献情報
文献番号
200401368A
報告書区分
総括
研究課題名
家庭血圧に基づいた高血圧の指摘治療に関する大規模臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
河野 雄平(国立循環器病センター(内科高血圧腎臓部門))
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【若手医師・協力者活用に要する研究】(健)
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、高血圧の大規模臨床研究に関し,国立循環器病センターと国立病院機構の施設を中心とする臨床研究を推進する組織作りを行い,朝の家庭収縮期血圧に基づいた降圧薬の無作為割り付けによる前向き臨床試験を施行し,わが国における降圧治療指針の資料となる成績を得ることを目的とする。
研究方法
本研究は多施設共同による無作為介入試験であり,HOSP (Hypertension Control Based On Home Systolic Pressure) 研究と称する。中高年の高血圧患者を対象とし,朝の家庭血圧に基づいて2段階の降圧レベル(130あるいは140 mmHg未満)と2種類の降圧薬(Ca拮抗薬アムロジピンとAII拮抗薬ロサルタン)の効果を検討する。主要なエンドポイントは心血管事故の発症と死亡であり,他に家庭や外来の血圧レベル,臓器障害などについて検討する。目標症例数は2000例で,Follow-upは5年間を予定している。
結果と考察
本年度は参加施設を増やし症例登録を推進した。これまでに約90施設の参加が得られ,約500例の登録がなされた。参加施設との連携を深め症例登録を促進するために,臨床研究実施チームが各施設と定期的な連絡をとり,HOSPニュースを発行し,研究案内のパンフレットとポスターを配布した。また,本研究のパイロット研究は約170名の症例登録がなされている。本年度は,これを継続するとともに3年後の成績を含む中間解析を行った。朝の家庭血圧の平均値は目標140未満の群では132/81mmHg,130未満の群では125/78mmHgであり,各群とも目標血圧を達成できていた。心血管イベントは10例で,130未満群は140未満群より,またアムロジピン群はロサルタン群より少ない傾向を示した。
結論
本研究により,国立循環器病センターと全国の国立病院機構の施設を主体とする高血圧の大規模臨床試験の施行体制が整備された。高血圧治療における家庭血圧の意義やその至適レベル,またカルシウム拮抗薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬の臨床的有用性が明らかになり,わが国における降圧治療の指針の資料となる成果が得られることが期待される。臨床研究実施チームの活動は,本研究の推進に重要な役割を果たした。
公開日・更新日
公開日
2005-04-28
更新日
-