生体指標を用いた日本人におけるミネラルの適正摂取量(AI)・許容上限摂取量(UL)の算定に関する栄養疫学的研究

文献情報

文献番号
200400526A
報告書区分
総括
研究課題名
生体指標を用いた日本人におけるミネラルの適正摂取量(AI)・許容上限摂取量(UL)の算定に関する栄養疫学的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 敏(独立行政法人国立健康・栄養研究所 栄養所要量策定企画・運営担当)
研究分担者(所属機関)
  • 上西 一弘(女子栄養大学 栄養学部)
  • 武林 亨(慶應義塾大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
25,908,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ミネラルの適正摂取量(目安量:AI)と許容上限摂取量(上限量:UL)の算定に関する研究を開始するに当たり、それ以前に検討し、解決しておかねばならない課題を整理し、実施することを本年度(初年度)の目的とした。これらはすべて、ミネラルの栄養疫学的研究を行うに当たり、不可欠の課題であった。
研究方法
本年度は次の各個研究を実施した。(1)若年女性におけるエネルギー・栄養素の見積もり誤差とその要因に関する研究。(2)年齢と肥満度がエネルギー摂取量の見積もりに与える影響に関する研究:16日間秤量式食事記録法(16-d DR)を用いた検討。(3)健康な成人におけるマンガン摂取量に関する研究:16-d DRを用いた検討。(4)習慣的な摂取量データを用いた栄養素摂取状況の評価に関する研究:16-d DRを用いた検討。(5)エネルギー・栄養素摂取量の日間変動が摂取量分布に及ぼす影響に関する研究:16-d DRを用いた検討。(6)尿中ヨウ素測定方法の検討とヨウ素負荷時の尿中ヨウ素の測定。(7)食事摂取基準参考文献データベースの開発に関する研究。
結果と考察
研究(1)、(2)、(4)、(5)は、すべての栄養素に関連し、食事摂取基準の策定にも活用にも関係する課題である。エネルギー・栄養素の見積もり誤差や日間変動の影響に関する基礎資料が得られた。研究(3)ではマンガン摂取量が明らかになり、目安量を算定するための資料が得られた。研究(6)は、ヨウ素摂取量を知り摂取基準を策定するための基礎研究としての知見を得た。研究(7)は、いままで散逸していた食事摂取基準や栄養所要量の参考文献を収集、統括管理するための基礎を作った。
結論
研究(1)、(2)、(4)、(5)の結果より、質の高いミネラルの栄養疫学的研究を行うべきであると考えられた。これは次年度以後の研究に反映される。研究(3)は、特性の異なる集団における調査研究も必要であると考えられた。研究(6)は本年度の知見に基づき、疫学研究を計画し、実施することを予定している。研究(7)については、ここで開発したデータベースを基礎として、諸外国の食事摂取基準策定時に参考にされた文献や、今回の策定で参考にされたが直接には引用されていないものなど、次回の改定や、この分野の研究の発展に寄与しうるデータベースにまで発展させていくべきかと考えられた。また、データベースの有効利用法に関しても開発・検討の余地があるものと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2005-12-14
更新日
-