日本人の食事摂取基準(栄養所要量)に関する研究

文献情報

文献番号
200400525A
報告書区分
総括
研究課題名
日本人の食事摂取基準(栄養所要量)に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
柴田 克己(滋賀県立大学 人間文化学部)
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木 敏(国立健康・栄養研究所)
  • 岡野 登志夫(神戸薬科大学 薬学部)
  • 福岡 伸一(青山学院大学 理工学部)
  • 玉井 浩(大阪医科大学 医学部)
  • 田中 清(京都女子大学 家政学部)
  • 森口 覚(山口県立大学 健康福祉学部)
  • 寺尾 純二(徳島大学 ヘルスバイオサイエンス学部)
  • 梅垣 敬三(国立健康・栄養研究所)
  • 早川 享志(岐阜大学 応用生物科学部)
  • 渡邊 敏明(兵庫県立大学 環境人間学部)
  • 渡邉 文雄(高知女子大学 生活科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生活習慣病の軽減に寄与し,国民が望む高度なQOLの要求に応えるために,乳児期,成長期,若年成人期,中年期,高年期の適正なビタミン(13種類のビタミン+カロテノイド)必要量を明らかにし,かつビタミン栄養の評価方法を確立することを目的とする.
研究方法
研究室内での化学実験(血液,尿,食品中の栄養素の分析など),栄養疫学調査,文献調査という研究手法を駆使する.研究費は主任研究者が一括計上する.
結果と考察
①日本人の母乳の泌乳量が0.78L/日程度であることを明らかにするとともに,ビタミン含量を精度高く測定した.②食品中,母乳中,血液中,尿中のビタミン含量の精度の高い測定方法を開発した,あるいは開発中である.③水溶性ビタミンの栄養状態の指標として尿中の値が適していることを明らかにした.さらに,新規な栄養状態の指標の開発に着手した.④若年成人の水溶性ビタミンの体内飽和量を推定した.⑤6か月~11か月児の必要量と1歳~2歳の必要量との値に大きな乖離が見られるビタミンがある.その生化学的な背景を検討した.⑥データが非常に乏しい3歳~5歳の食事摂取量と尿中のビタミン量の調査を開始した.⑦上限量の推測のために,動物実験を行うと同時に,ビタミン-ビタミンの相互関係について調べた.⑧平時(健常な状態)における必要量ではなく,有事(生活習慣病の一次予防,高齢者,病態時あるいは非常に過酷な環境時など)におけるビタミン必要量を知るための実験に着手した.⑨ビタミンの新規な生理作用の発見に関する研究に着手した.⑩電子化されていない大学紀要などに見られる食事調査などの情報の収集ネットの確立と電子化の作業に着手した.
結論
「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の策定に大きな貢献をした.同時に課題も明らかにした.2009年に予定されている策定には,推定平均必要量を策定できず,目安量を示すにとどまったビタミンA・D・K,パントテン酸及びビオチンに対して推定平均必要量あるいは生活習慣病の一次予防のための目標量を提示するデータが順調に得られている.また,ビタミンの栄養状態の実用的な指標を確立する準備も順調に進んでいる.すなわち,食事計画のために必要なビタミン摂取量と評価に必要な栄養状態指標の確立により個々人の最適なビタミン量を提示することで,生涯高度なQOLを達成し,結果的に医療費削減につなげることができることが大いに期待できる.

公開日・更新日

公開日
2005-03-31
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
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