文献情報
文献番号
200400524A
報告書区分
総括
研究課題名
内シャント狭窄治療を目的としたナノセラミックス複合化ステントグラフトの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
古薗 勉(国立循環器病センター研究所(生体工学部))
研究分担者(所属機関)
- 宮武 邦夫(国立循環器病センター)
- 稲永 隆(日本海員掖済会門司病院内科腎センター)
- 田中 良一(国立循環器病センター 放射線診療部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
35,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
長期透析を良好に継続するためには自己血管内シャントの開存維持が不可欠である。これまでシャント不全に対して様々な治療法が試みられているが、再狭窄・再閉塞を来す症例が多い。当該研究課題は、内シャント不全の治療に用いるステントグラフト表面にナノアパタイトセラミックスを強固に結合させた新規なステントグラフトの開発を目的とする。
研究方法
複合化のための高分散性ナノアパタイト創出
ナノアパタイトセラミックスは製造過程において二次粒子化するため、分散媒体中で単分散することは困難とされてきた。本研究において溶融防止剤を開発し、分散媒体中で単分散するナノアパタイトの製造技術を確立した。
無機・有機複合体の設計及び合成
グラフト基材へのアルコキシシリル基含有ポリマーの最適導入条件を確立した後、高分散性ナノアパタイトを強固にコーティングしたナノアパタイト複合化グラフトを創出した。
ステントグラフト設計
(株)日本ステントテクノロジーと委託契約を行い、同社独自のステント形状設計ソフトに基づき内シャントステントに最適な物性を探索している。一部試作品が供給され表面加工の初期検討を行っている。
細胞培養評価
高分散性ナノアパタイトを複合化したグラフト基材の毒性試験および細胞接着性試験をin vitroで行った。ヒト血管内皮細胞を用いて検討を行った結果、本アパタイト複合化グラフトは、細胞に対して毒性を示さず、さらに未処理グラフト基材と比較して有意に接着・増殖が確認された。
ナノアパタイトセラミックスは製造過程において二次粒子化するため、分散媒体中で単分散することは困難とされてきた。本研究において溶融防止剤を開発し、分散媒体中で単分散するナノアパタイトの製造技術を確立した。
無機・有機複合体の設計及び合成
グラフト基材へのアルコキシシリル基含有ポリマーの最適導入条件を確立した後、高分散性ナノアパタイトを強固にコーティングしたナノアパタイト複合化グラフトを創出した。
ステントグラフト設計
(株)日本ステントテクノロジーと委託契約を行い、同社独自のステント形状設計ソフトに基づき内シャントステントに最適な物性を探索している。一部試作品が供給され表面加工の初期検討を行っている。
細胞培養評価
高分散性ナノアパタイトを複合化したグラフト基材の毒性試験および細胞接着性試験をin vitroで行った。ヒト血管内皮細胞を用いて検討を行った結果、本アパタイト複合化グラフトは、細胞に対して毒性を示さず、さらに未処理グラフト基材と比較して有意に接着・増殖が確認された。
結果と考察
当該研究課題で用いるハイドロキシアパタイトセラミックスは生体活性が高く、良好な接着性タンパク質の吸着および細胞の単層接着が実現できる。このため、グラフト内部へのナノセラミックスコートによって、短期間で血管内皮細胞が被覆され、長期血管開存の発現が可能である。
結論
本年度の検討では、高分散性ナノアパタイト微粒子製造法の創出、新規ナノアパタイト複合化グラフトの創出およびステント設計・加工・試作品製造を行った。平成17年度においてはナノセラミックス複合化ステントの開発を重点的に行い、平成18年度では新規ステントグラフトのin vivo試験によりその効能を実証する予定である。
公開日・更新日
公開日
2005-04-07
更新日
-