弁置換後脳梗塞発生及び脳高次機能異常予防のための標準的抗凝固療法確立に関する研究

文献情報

文献番号
200400511A
報告書区分
総括
研究課題名
弁置換後脳梗塞発生及び脳高次機能異常予防のための標準的抗凝固療法確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
坂東 興(国立循環器病センター心臓血管外科)
研究分担者(所属機関)
  • 八木原 俊克(国立津循環器病センター心臓血管外科)
  • 佐瀬 一洋(国立循環器病センター循環器内科)
  • 上田 裕一(名古屋大学胸部機能外科)
  • 大北 裕(神戸大学呼吸循環器外科)
  • 森田 茂樹(九州大学循環器外科)
  • 佐藤 敏彦(北里大学公衆衛生学)
  • 宮田 茂樹(国立循環器病センター輸血管理室)
  • 長束 一行(国立循環器病センター脳血管内科)
  • 中谷 敏(国立循環器病センター心臓内科)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院)
  • 坂本 純一(京都大学EBM共同研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
37,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 脳梗塞後の至適治療については欧米を中心に多くの大規模臨床試験が実施されているが、弁置換後の至適治療特に抗凝固療法時の血小板機能の変化や抗血小板薬の効果については未だに不明である点が多く、prospective study も少ない。本研究は、こうした現状に鑑み、弁置換術後の脳高次機能の変化と抗凝固に伴う脳梗塞・脳出血等の合併症を指標に、本邦における至適治療法を確立する目的で計画された。
研究方法
 試験デザインは、中央登録法による多施設共同無作為化二重盲検比較試験である。全国11施設から、約200症例の適格例が無作為割付される予定である。症例登録期間は2003年5月から2006年4月までの2年11ヶ月とし、更に2008年までの観察期間を設ける。対象患者をW群(標準的抗凝固療法、ワーファリン単独、INR目標2.0-3.0)、A群(標準的抗凝固療法+低用量アスピリンによる抗血小板療法追加)の2群に無作為割付を行っている。
 本研究の主要エンドポイントは脳梗塞(致死性および非致死性)および全身性塞栓症の発症である。副次的エンドポイントは1)死亡、非致死性の脳梗塞、非致死性全身性塞栓症の複合エンドポイント、2)出血および中止である。
結果と考察
 JaSWAT Groupでは、2005年3月末までに120例の登録を行い、内試験中止10例、治療中止15例であった。研究実施体制としては、京都大学EBM共同研究センターにおいて中央登録法による無作為割付を行い、盲検下で臨床評価委員会がエンドポイントを判定する体制に有り、実施中の被験者保護のために独立したデータ安全性委員会(DSMB: Data and Safety Monitoring Board)による定期的な評価が実施される体制をつくっている。臨床評価委員会は2004年5月、同11月の2回実施され、有害事象ならびにイベントを判定した。またデータ安全性委員会にて安全性、進捗の状況の検討が行なわれ、2004年7月には試験の中止は不要、検出力の再計算と期間延長等の検討、品質確保などの勧告がなされ、2005年1月のデータ安全性委員会では試験の中止は不要、当初の仮説の検証ができないことはほぼ明らか、目的を変更して継続すべき、CRFの回収状況再調査などの勧告がなされた。
結論
 我が国の心臓外科領域では初めてのプラセボ対照のRCT)として、JaSWAT study を開始した。以上述べたように、JaSWAT groupでは、現在までに、GCPに準拠し医師主導型の前向き研究を行うための研究体制を確立し、運用している。

公開日・更新日

公開日
2005-06-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200400511B
報告書区分
総合
研究課題名
弁置換後脳梗塞発生及び脳高次機能異常予防のための標準的抗凝固療法確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
坂東 興(国立循環器病センター心臓血管外科)
研究分担者(所属機関)
  • 八木原俊克(国立循環器病センター心臓血管外科)
  • 佐瀬 一洋(国立循環器病センター循環器内科)
  • 上田 裕一(名古屋大学胸部機能外科学)
  • 大北 裕(神戸大学呼吸循環器外科)
  • 森田 茂樹(九州大学循環器外科)
  • 佐藤 敏彦(北里大学公衆衛生学)
  • 宮田 茂樹(国立循環器病センター輸血管理室)
  • 長束 一行(国立循環器病センター脳血管内科)
  • 中谷 敏(国立循環器病センター心臓内科)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院)
  • 坂本 純一(京都大学EBM共同研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 脳梗塞後の至適治療については欧米を中心に多くの大規模臨床試験が実施されているが、弁置換後の至適治療特に抗凝固療法時の血小板機能の変化や抗血小板薬の効果については未だに不明である点が多く、prospective study も少ない。本研究は、こうした現状に鑑み、弁置換術後の脳高次機能の変化と抗凝固に伴う脳梗塞・脳出血等の合併症を指標に、本邦における至適治療法を確立する目的で計画された。
研究方法
 試験デザインは、中央登録法による多施設共同無作為化二重盲検比較試験である。全国11施設から、約200症例の適格例が無作為割付される予定である。症例登録期間は2003年5月から2006年4月までの2年11ヶ月とし、更に2008年までの観察期間を設ける。対象患者をW群(標準的抗凝固療法、ワーファリン単独、INR目標2.0-3.0)、A群(標準的抗凝固療法+低用量アスピリンによる抗血小板療法追加)の2群に無作為割付を行っている。
 本研究の主要エンドポイントは脳梗塞(致死性および非致死性)および全身性塞栓症の発症である。副次的エンドポイントは1)死亡、非致死性の脳梗塞、非致死性全身性塞栓症の複合エンドポイント、2)出血および中止である。
結果と考察
 JaSWAT Groupでは、2005年3月末までに120例の登録を行い、内試験中止10例、治療中止15例であった。研究実施体制としては、京都大学EBM共同研究センターにおいて中央登録法による無作為割付を行い、盲検下で臨床評価委員会がエンドポイントを判定する体制に有り、実施中の被験者保護のために独立したデータ安全性委員会(DSMB: Data and Safety Monitoring Board)による定期的な評価が実施される体制をつくっている。2004年7月のデータ安全性委員会では試験の中止は不要、検出力の再計算と期間延長等の検討、品質確保などの勧告がなされた。2005年1月のデータ安全性委員会では試験の中止は不要、当初の仮説の検証ができないことはほぼ明らか、目的を変更して継続すべき、CRFの回収状況再調査などの勧告がなされた。
結論
 我が国の心臓外科領域では初めてのプラセボ対照のRCTとして、JaSWAT study を開始した。JaSWAT groupでは、現在までに、GCPに準拠し医師主導型の前向き研究を行うための研究体制を確立し、運用している。

公開日・更新日

公開日
2005-06-13
更新日
-