家庭血圧に基づいた高血圧の至適治療に関する大規模臨床研究

文献情報

文献番号
200400510A
報告書区分
総括
研究課題名
家庭血圧に基づいた高血圧の至適治療に関する大規模臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
河野 雄平(国立循環器病センター(内科高血圧腎臓部門))
研究分担者(所属機関)
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター(病院長))
  • 佐瀬 一洋(国立循環器病センター(臨床試験開発室))
  • 万波 俊文(香川大学医学部(衛生・公衆衛生学))
  • 小嶋 俊一(国立病院機構静岡医療センター(副院長))
  • 恵谷 秀紀(国立病院機構大阪医療センター(総合内科))
  • 斉藤 大治(国立病院機構岩国医療センター(院長))
  • 土橋 卓也(国立病院機構福岡医療センター(副院長))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、高血圧の大規模臨床研究に関し,国立循環器病センターと国立病院機構の施設を中心とする臨床研究を推進する組織作りを行い,朝の家庭収縮期血圧に基づいた降圧薬の無作為割り付けによる前向き臨床試験を施行し,わが国における降圧治療指針の資料となる成績を得ることを目的とする。
研究方法
本研究は多施設共同による無作為介入試験であり,HOSP (Hypertension Control Based On Home Systolic Pressure) 研究と称する。中高年の高血圧患者を対象とし,朝の家庭血圧に基づいて2段階の降圧レベル(130あるいは140 mmHg未満)と2種類の降圧薬(Ca拮抗薬アムロジピンとAII拮抗薬ロサルタン)の効果を検討する。主要なエンドポイントは心血管事故の発症と死亡であり,他に家庭や外来の血圧レベル,臓器障害などについて検討する。目標症例数は2000例で,Follow-upは5年間を予定している。
結果と考察
本年度は参加施設を増やし症例登録を推進した。これまでに約90施設の参加が得られ,約500例の登録がなされた。また,本研究のパイロット研究は約170名の症例登録がなされている。本年度は,これを継続するとともに3年後の成績を含む中間解析を行った。朝の家庭血圧の平均値は目標140未満の群では132/81mmHg,130未満の群では125/78mmHgであり,各群とも目標血圧を達成できていた。降圧薬の併用率は,各々35%および58%であった。アムロジピン群とロサルタン群の血圧はほぼ同等で,併用率は後者が高かった。心血管イベントは10例で,130未満群は140未満群より,またアムロジピン群はロサルタン群より少ない傾向を示した。
結論
本研究により,国立循環器病センターと全国の国立病院機構の施設を主体とする高血圧の大規模臨床試験の施行体制が整備された。高血圧治療における家庭血圧の意義やその至適レベル,またカルシウム拮抗薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬の臨床的有用性が明らかになり,わが国における降圧治療の指針の資料となる成果が得られることが期待される。パイロット研究の結果より,家庭血圧の厳格なコントロールが緩和な降圧より臓器保護や循環器疾患の予防効果は大きいことが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-

文献情報

文献番号
200400510B
報告書区分
総合
研究課題名
家庭血圧に基づいた高血圧の至適治療に関する大規模臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
河野 雄平(国立循環器病センター(内科高血圧腎臓部門))
研究分担者(所属機関)
  • 友池 仁暢(国立循環器病センター(病院長))
  • 佐瀬 一洋(国立循環器病センター(臨床試験開発室))
  • 万波 俊文(香川大学医学部(衛生・公衆衛生学))
  • 小嶋 俊一(国立病院機構静岡医療センター(副院長))
  • 恵谷 秀紀(国立病院機構大阪医療センター(総合内科))
  • 斉藤 大治(国立病院機構岩国医療センター(院長))
  • 土橋 卓也(国立病院機構九州医療センター(腎高血圧内科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、高血圧の大規模臨床研究に関し,国立循環器病センターと国立病院機構の施設を中心とする臨床研究を推進する組織作りを行い,朝の家庭収縮期血圧に基づいた降圧薬の無作為割り付けによる前向き臨床試験を施行し,わが国における降圧治療指針の資料となる成績を得ることを目的とする。
研究方法
本研究は多施設共同の無作為介入試験であり,HOSP (Hypertension Control Based On Home Systolic Pressure) 研究と称する。中高年の高血圧患者を対象として,朝の家庭血圧に基づいた降圧治療を行い,2段階の降圧レベル(130あるいは140 mmHg未満)と2種類の降圧薬(Ca拮抗薬アムロジピンとAII拮抗薬ロサルタン)の効果を検討する。主要なエンドポイントは心血管事故の発症と死亡であり,他に家庭や外来の血圧レベル,臓器障害などについて検討する。目標症例数は2000例で,Follow-upは5年間を予定している。また,本研究のパイロット研究は平成12年に開始されており,これを継続した。
結果と考察
平成14年度は,研究計画と研究組織を確立し、事務局の整備を進めた。また,パイロット研究の継続と中間解析を行った。平成15年度は、約60施設の参加を得て臨床試験を推進した。パイロット研究と合わせて約300例が登録された。平成16年度は,さらに参加施設を増やし症例登録を推進した。約90施設の参加が得られ,合わせて約500例の登録がなされた。パイロット研究の解析では,130および140 mmHg未満の各群とも目標血圧を達成できていた。尿アルブミン排泄量は,130未満群では減少し,140未満群では不変であった。心血管イベントは,130未満群は140未満群より,またアムロジピン群はロサルタン群より少ない傾向を示した。
結論
本研究により,国立循環器病センターと全国の国立病院機構の施設を主体とする高血圧の大規模臨床試験の施行体制が整備された。高血圧治療における家庭血圧の意義やその至適レベル,またカルシウム拮抗薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬の臨床的有用性が明らかになり,わが国における降圧治療の指針の資料となる成果が得られることが期待される。パイロット研究の結果より,家庭血圧の厳格なコントロールが緩和な降圧より臓器保護や循環器疾患の予防効果は大きいことが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-