文献情報
文献番号
200401413A
報告書区分
総括
研究課題名
がん終末期医療―身体的・精神的ケアの研究と人材育成(質の高いがん医療の均てん化)
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
人見 滋樹(高槻赤十字病院)
研究分担者(所属機関)
- 岩本 英美子(福井赤十字病院)
- 徳田 美喜(宮崎県立 日南病院)
- 村岡 恵子(宮崎県立 日南病院)
- 松尾 圭祐(岡山赤十字病院)
- 三好 直子(岡山赤十字病院)
- 吉田 紀久美(大阪赤十字病院)
- 佐々木 圭子(大阪赤十字病院)
- 川野 裕美(大阪赤十字病院)
- 奥村 三津子(大津赤十字病院)
- 林 理絵(大津赤十字病院)
- 小菅 路子(大津赤十字病院)
- 田内 初美(星ヶ丘厚生年金病院)
- 藤本 育美(星ヶ丘厚生年金病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【質の高いがん医療の均てん化】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
1,682,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
根治を目指す治療法がなくなった終末期の患者の心身の苦痛を緩和し、最期までその人らしさを失わず尊厳をもって生きる為の援助を行う緩和医療は、近年長足の進歩を遂げている。今や疼痛緩和は専門医によれば90%以上の症例に達成されており、痛みがなくなると人間は前向きの姿勢で生きることが出来るようになる。緩和ケア病棟は死を唯待つ所ではなく、活き活きと生きる場所である。スピリテュアル・ペインも、傾聴し共感する専門のスタッフによりペインが緩和される。この実情を踏まえ昨今緩和施設の増設が試みられて、次第に施設が新設され、現在計115施設となっている。ここで一番問題となっているのは緩和医療に専念する医師の不足であり、緩和医療に情熱を燃やす看護師など各専門分野での人材不足である。日本病院機能評価機構の評価に耐える施設になる為の鍵は充分にトレーニングされた医師、看護師など医療スタッフの養成である。
研究方法
高槻赤十字病院は緑、水、光の環境に恵まれ、全室個室の20床の緩和ケア病棟があり、開設以来、2年半で約400人のがん終末期患者に利用して頂き、多くの患者・家族から感謝と賛辞の言葉を頂いている。この経験と環境を生かし、全国のがん診療拠点病院の職員と共に一層充実した緩和医療を求めて研究し、この方面の人材育成を進める。
結果と考察
研究期間が1週間の場合、家族ケアまでの時間が短いとの意見があった。 但し、1週間と短期になったのは主に共同研究者側施設の問題であった。これは、一般病棟では経験できない緩和ケア病棟における患者と家族に対する医師・看護師等スタッフの重要性と勉強会や研究の必要性を共同研究者達が感じた結果であり、期間を少なくとも2週間以上にすることが望まれる。研究全体としては今後も継続すべきである。
結論
今回の研究においては、共同研究者と高槻赤十字病院の緩和ケア病棟の医師、看護師、薬剤師、理学療法士と共に、患者を治療し臨床例を経験する中で、共同研究者に修練を積ませ。成果を総括することにより、新しい教育法を研究する基礎ができた、今後もこの研究を重ねることで、医師・看護師だけなく他の医療スタッフも含めたチーム医療としての人材育成の成果を得られると確信した。
公開日・更新日
公開日
2005-06-20
更新日
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