早期前立腺がんにおける根治術後の再発に関する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200401352A
報告書区分
総括
研究課題名
早期前立腺がんにおける根治術後の再発に関する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 誠二(九州大学(九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野))
研究分担者(所属機関)
  • 古賀 寛史(九州大学大学院医学研究院泌尿器科)
  • 横溝 晃(九州大学大学院医学研究院泌尿器科)
  • 筧  善行(香川大学泌尿器科学)
  • 塚本 泰司(札幌医科大学泌尿器科)
  • 小川 修(京都大学大学院医学研究院泌尿器病態学)
  • 赤座 英之(筑波大学外科学泌尿器科)
  • 馬場 志郎(北里大学医学部泌尿器科)
  • 小野 佳成(名古屋大学大学院医学研究院病態外科学泌尿器科学)
  • 村井 勝(慶応義塾大学医学部泌尿器科学)
  • 守殿 貞夫(神戸大学大学院医学研究院腎泌尿器科学)
  • 藤元博行(国立ガンセンター中央病院泌尿器科)
  • 宇佐美 道之(大阪成人病センター泌尿器科)
  • 野々村 克也(北海道大学大学院外科治療学腎泌尿器外科学)
  • 羽渕 友則(秋田大学医学部泌尿器科学)
  • 荒井 陽一(東北大学大学院医学研究院泌尿・生殖器科学)
  • 鈴木和浩(群馬大学医学部泌尿器科)
  • 市川智彦(千葉大学大学院医学研究院遺伝子機能病態学)
  • 西村 泰司(日本医科大学泌尿器科学)
  • 東間 紘(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター泌尿器科学)
  • 頴川 晋(東京慈恵会医科大学泌尿器科)
  • 武田 正之(山梨医科大学医学部泌尿器科学)
  • 西澤 理(信州大学医学部泌尿器科学)
  • 高橋 公太(新潟大学医学部泌尿器科)
  • 小松原秀一(県立がんセンター新潟病院)
  • 大園誠一郎(浜松医科大学医学部泌尿器科学)
  • 杉村 芳樹(三重大学医学部泌尿器科学)
  • 平尾 佳彦(奈良県立医科大学医学部泌尿器科学)
  • 公文 裕巳(岡山大学大学院医歯学総合研究科泌尿器病態学)
  • 寺井 章人(倉敷中央病院泌尿器科)
  • 井川 幹夫(島根医科大学医学部泌尿器科学)
  • 松岡 啓(久留米大学医学部泌尿器科学)
  • 中川 昌之(鹿児島大学医学部泌尿器科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
14,411,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
限局性前立腺癌患者の根治治療として根治的前立腺摘除術が行なわれる機会が増えている。しかし、根治術が施行できたと考えられる場合でも、約 25 –30%の患者では経過中に再発を生じる。この様な再発例は、経過観察中にまずPSAの上昇(PSA 再発)で発見されるものがほとんどであり、その場合、正確に再発部位を同定することは困難である。そのため、放射線療法と内分泌療法のどちらが有用であるか、未だ明らかな根拠がないまま、治療が行われているのが現状である。この研究では、前向き無作為割付法によって上記2治療の有用性を検討することを目的としている。
研究方法
登録時に次のA群(内分泌療法群)かB群(放射線療法群)にランダム割付される。治療開始後、臨床的再発またはPSA再発を認めた場合、または有害事象や患者拒否により治療継続ができなくなった場合、Time to treatment failure (TTF)と判断する。A群では抗アンドロゲン剤による治療とその後のTTFに対するLH-RHアナログ治療をもってプロトコール治療とし、B群では前立腺床に対する64.8Gyの外照射、その後TTFを生じたら抗アンドロゲン剤による治療、さらにその後再度TTFになればLH-RHアナログ療法を行なうことをもってプロトコール治療とする。両群ともLH-RHアナログ療法が有効である間はLH-RHアナログ療法を継続するため「プロトコール治療完了」は定義しない。両群とも、登録後は、3ヵ月毎に血清PSA測定を行う。登録期間は4年、追跡期間は登録終了後5年とし、総研究期間は9年とする。
結果と考察
当研究はJapan Clinical Oncology Group(JCOG)にプロトコール審査及び、データマネージメントを依頼し準備を進めてきた。H16年4月13日、審査を終了しプロトコール承認を受け、5月より、患者登録を開始した。H17年3月31日現在、登録症例数は7例である。患者登録は各施設のIRB承認を得なければならないため、本年度は登録症例数が少ないが、今後積極的に患者登録を進めて行きたい。
結論
本年度より、予定通り患者登録を開始した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200401352B
報告書区分
総合
研究課題名
早期前立腺がんにおける根治術後の再発に関する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
内藤 誠二(九州大学(九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野))
研究分担者(所属機関)
  • 古賀 寛史(九州大学大学院医学研究院泌尿器科)
  • 横溝 晃(九州大学大学院医学研究院泌尿器科)
  • 筧 善行(香川医科大学泌尿器科学)
  • 小川 修(京都大学大学院医学研究院泌尿器病態学)
  • 馬場 志郎(北里大学医学部泌尿器科)
  • 村井 勝(慶応義塾大学医学部泌尿器科学)
  • 塚本 泰司(札幌医科大学泌尿器科)
  • 鈴木 和浩(群馬大学医学部泌尿器科)
  • 大園 誠一郎(浜松医科大学医学部泌尿器科学)
  • 赤座 英之(筑波大学外科学泌尿器科)
  • 羽渕 友則(秋田大学医学部泌尿器科学)
  • 市川 智彦(千葉大学大学院医学研究院遺伝子機能病態学)
  • 武田 正之(山梨医科大学医学部泌尿器科学)
  • 寺井 章人(倉敷中央病院泌尿器科)
  • 中川 昌之(鹿児島大学医学部泌尿器科学)
  • 藤元 博行(国立ガンセンター中央病院泌尿器科)
  • 荒井 陽一(東北大学大学院医学研究院泌尿・生殖器科学)
  • 西村 泰司(日本医科大学泌尿器科学)
  • 公文 裕巳(岡山大学大学院医歯学総合研究科泌尿器病態学)
  • 松岡 啓(久留米大学医学部泌尿器科学)
  • 小野 佳成(名古屋大学大学院医学研究院病態外科学)
  • 野々村 克也(北海道大学大学院外科治療学腎泌尿器外科学)
  • 西澤 理(信州大学医学部泌尿器科学)
  • 高橋 公太(新潟大学医学部附属病院泌尿器科)
  • 小松原 秀一(県立がんセンター新潟病院泌尿器科)
  • 杉村 芳樹(三重大学医学部泌尿器科学)
  • 平尾 佳彦(奈良県立医科大学医学部泌尿器科学)
  • 井川 幹夫(島根医科大学医学部泌尿器科学)
  • 原 勲(神戸大学大学院医学研究院腎泌尿器科学)
  • 宇佐美 道之(大阪成人病センター泌尿器科部長)
  • 東間 紘(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター泌尿器科学)
  • 頴川 晋(東京慈恵会医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
限局性前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術(RP)後、約 25 –30%の患者でPSA再発を生じるが、経過中PSA値の上昇のみで発見されるため、正確な再発部位の同定は困難である。そのため、放射線療法と内分泌療法のどちらが有用であるか、未だ明らかではない。
1)このようなPSA再発症例に対して、内分泌療法前に放射線療法を行うことの臨床的有用性を、内分泌療法単独との無作為比較試験により評価する。
2)本邦のPSA再発症例の臨床経過上の特徴についてアウトカム研究を行なった。
研究方法
1)RP後、PSA再発を生じた症例はA群(内分泌療法群)かB群(放射線療法群)に無作為割付される。治療失敗(TTF)を臨床的再発またはPSA再発、または有害事象や患者拒否による治療継続不可の場合と定義する。A群では抗アンドロゲン剤による治療とそのTTFに対するLH-RHアナログ治療をもってプロトコール治療とし、B群では前立腺床に対する外照射、その後TTFを生じたらA群と同治療を行ないプロトコール治療とする。Primary endpoint は抗アンドロゲン剤の TTFとし、Secondary endpointは、LH-RHアナログのTTFになるまでの期間、全生存率、有害事象、QOLとした。
2)本研究と同等の背景を有する症例について、JCOG泌尿器科腫瘍研究グループ36施設を対象に後ろ向き臨床調査を行った。
結果と考察
1)当研究はJapan Clinical Oncology Group (JCOG)にプロトコール審査、データマネージメントを依頼し研究を進めている。H14年度はプロトコール概要の作成と承認、H15年度はプロトコールの作成と承認を受け、H16年5月より、患者登録を開始した。H17年4月7日現在、登録症例数は7例と登録症例数が少ないが、今後積極的に患者登録を進めて行きたい。
2)アウトカム研究の総症例は1192症例で、PSA再発を来した症例が25.1%(観察期間の中央値3.8年)であった。その後の治療法は、内分泌療法、放射線療法、経過観察がほぼ同率であった。日本人は、欧米に比べ前立腺癌の発症頻度は低いことが知られているが、RP後の治療成績は欧米とほぼ同等と考えられた。
結論
1)JCOGにプロトコールの承認を受け、患者登録を開始し、9名の患者登録を得た。
2)RP後のPSA再発を来した症例が25.1%あり、その治療成績は欧米とほぼ同等である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-