固形がんに対する骨髄非破壊的移植前治療を用いた同種末梢血幹細胞移植療法の標準的治療の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200401347A
報告書区分
総括
研究課題名
固形がんに対する骨髄非破壊的移植前治療を用いた同種末梢血幹細胞移植療法の標準的治療の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
原田 実根(九州大学大学院医学研究院・臓器機能医学部門内科学講座・病態修復内科学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
28,623,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性固形腫瘍患者に対し、移植片対腫瘍(GVT)効果を期待した同種造血幹細胞移植を、骨髄非破壊的な移植前治療を利用して実施し、その安全性と有効性を検討する。本療法の実施にあたり血液内科および腫瘍内科の若手医師に加えて看護師および薬剤師の研究協力者からなる臨床研究チームを組織し研究の円滑な実施を図る。
研究方法
本研究は標準的治療法に抵抗性の進行・再発固形腫瘍患者で、65歳以下、十分な主要臓器機能を有し、測定あるいは評価可能病変を持つ患者を対象とした。ドナーにG-CSFを投与してPBSCを動員し、アフェレーシスによってPBSCを採取し凍結保存した。患者に対してはfludarabineなどによる骨髄非破壊的治療を移植前処置とし、day0にPBSCを経静脈的に輸注した。生着およびキメラ状態を随時測定し、治療効果はRECIST判定を指標とした。
結果と考察
13症例の治療を行い、100日以内の移植関連死亡を認めず、評価可能な全例において完全キメラ状態を確認した。コントロール可能な急性GVHDが4例、全身型慢性GVHDを3例に認めた。治療効果は、膵癌7例中CR1, PR1, SD2, PD3、胃癌1例(NC)、大腸癌1例(PR)、腎癌1例(PD)、浸潤性胸腺腫1例(PR)、肝組織球肉腫1例(SD)、ユーイング肉腫1例(PD)であった。以上より本療法は安全に実施され、有効性も示されたことから今後の研究継続が望まれた。本研究事業により採用された若手医師、臨床研究協力者を含むチームは、質の高い臨床研究を実施できた。また本研究を通じてチームの育成、資質向上がなされ、関連する臨床研究、治験にも積極的に参加した。特にCRCは本研究期間中に設立された九州大学臨床研究センターの業務の推進に協力し、業績向上に大きく貢献し得た。
結論
難治性固形腫瘍に対する骨髄非破壊的治療を用いた同種末梢血幹細胞移植の安全性、有効性が示された。各分野の専門医、若手医師、研究協力者が連携する臨床研究チームの構築は、質の高い臨床研究の円滑な推進、人材育成のために必須である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200401347B
報告書区分
総合
研究課題名
固形がんに対する骨髄非破壊的移植前治療を用いた同種末梢血幹細胞移植療法の標準的治療の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
原田 実根(九州大学大学院医学研究院・臓器機能医学部門内科学講座・病態修復内科学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性固形腫瘍患者に対し、移植片対腫瘍(GVT)効果を期待した同種造血幹細胞移植を、骨髄非破壊的な移植前治療を利用して実施し、その安全性と有効性を検討する。本療法の実施にあたり血液内科および腫瘍内科の若手医師に加えて看護師および薬剤師の研究協力者からなる臨床研究チームを組織し研究の円滑な実施を図る。
研究方法
本研究は標準的治療法に抵抗性の進行・再発固形腫瘍患者で、65歳以下、十分な主要臓器機能を有し、測定あるいは評価可能病変を持つ患者を対象とした。ドナーにG-CSFを投与してPBSCを動員し、アフェレーシスによってPBSCを採取し凍結保存した。患者に対してはfludarabineなどによる骨髄非破壊的治療を移植前処置とし、day0にPBSCを経静脈的に輸注した。生着およびキメラ状態を随時測定し、治療効果はRECIST判定を指標とした。若手医師は造血幹細胞移植の新規治療の実現に積極的に関与し、習熟度に応じて必要な役割分担を行った。研究協力者は臨床研究コードディネーター(CRC)として九州大学病院臨床研究センターにも所属し、本研究の研究支援の他、CRCとしての通常業務にも従事した。
結果と考察
13症例の治療を行い、100日以内の移植関連死亡を認めず、評価可能な全例において完全キメラ状態を確認した。コントロール可能な急性GVHDが4例、全身型慢性GVHDを3例に認めた。治療効果は、膵癌7例中CR1, PR1, SD2, PD3、胃癌1例(NC)、大腸癌1例(PR)、腎癌1例(PD)、浸潤性胸腺腫1例(PR)、肝組織球肉腫1例(SD)、ユーイング肉腫1例(PD)であった。以上より本療法は安全に実施され、有効性も示されたことから今後の研究継続が望まれた。本研究事業により採用された若手医師、臨床研究協力者を含むチームは、質の高い臨床研究を実施できた。また本研究を通じてチームの育成、資質向上がなされ、関連する臨床研究、治験にも積極的に参加した。特にCRCは本研究期間中に設立された九州大学臨床研究センターの業務の推進に協力し、業績向上に大きく貢献し得た。
結論
難治性固形腫瘍に対する骨髄非破壊的治療を用いた同種末梢血幹細胞移植の安全性、有効性が示された。各分野の専門医、若手医師、研究協力者が連携する臨床研究チームの構築は、質の高い臨床研究の円滑な推進、人材育成のために必須である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-30
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-