難治性悪性リンパ腫の治療に関する研究

文献情報

文献番号
200400507A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性悪性リンパ腫の治療に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
飛内 賢正(国立がんセンター中央病院(特殊病棟部))
研究分担者(所属機関)
  • 堀田 知光(東海大学 医学部 血液・腫瘍内科)
  • 中田 匡信(国立がんセンター東病院 外来部)
  • 森島 泰雄(愛知県がんセンター病院 血液細胞療法部)
  • 木下 朝博(名古屋大学医学部 病態内科学講座 分子細胞内科学)
  • 朝長 万左男(長崎大学医学部 原研内科)
  • 上田 龍三(名古屋市立大学医学部 第二内科)
  • 鈴木 孝世(滋賀県立成人病センター 内科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 キメラ型抗CD20抗体リツキシマブと化学療法を併用して低悪性度Bリンパ腫に対する標準治療を確立する。
研究方法
 未治療進行期患者を対象として、リツキシマブ と CHOP 療法併用(R-CHOP)を対照群とし、効果増強が期待されるリツキシマブとbiweekly CHOP 療法併用(R-Bi-CHOP)のランダム化第II/III相試験を行う。第II相部分のprimary endpointは完全奏効割合、secondary endpointsは奏効割合、無増悪生存、生存、治療の短期安全性。第III相部分のprimary endpointは無増悪生存、secondary endpoints は生存および安全性。第II相から第III相部分への移行の可否は、中間解析結果に基づくJCOG効果・安全性評価委員会による評価と判断に従う。
結果と考察
1) 再発・再燃低悪性度Bリンパ腫とマントル細胞リンパ腫を対象にリツキシマブの第II相試験を実施し、前者のORR 61% (37/61), 後者のORR 46% (6/13)を報告。主な毒性は輸注関連毒性で大半がgrade 2以下かつ一過性。リツキシマブは両疾患に対して安全かつ有効と結論。
2) 未治療進行期低悪性度Bリンパ腫を対象に、R-CHOP療法のランダム化第II相試験(同時投与と連続投与を比較)を実施し、両群ともに高い有効性を確認。 
以下に研究の進捗状況を示す。
a) 2002年9月1日に症例登録を開始。
b) 2003年9月のリツキシマブ の用法・用量拡大申請承認に伴い、リツキシマブの投与回数を4回から6回とするプロトコール改訂をJCOG効果安全性評価委員会に申請し承認された。
c) 2005年3月31日現在、156例を登録(目標症例の78%: 症例登録状況は目標を上回るペース)重篤な有害事象報告はなく被験者の安全性は確保されている。
d) 第II相部分の中間解析を見据えて、モニタリング作業、病理中央診断、効果中央判定作業を進めている。
結論
 目標を上回るペースで症例が登録され、重篤な有害事象報告はなく被験者の安全性は確保されている。本研究によって、進行期低悪性度Bリンパ腫においてR-biweekly CHOP療法が優れていることが証明できれば、国際的にも高い医学的貢献が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-06-20
更新日
-